暑さ指数(WBGT)の目安
部屋の温度と湿度を入れるだけで、熱中症の危険度の目安がわかります。 エアコンをつけるか迷ったときの判断材料に。
✓ 日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.4」室内用推定図を採用。 環境省 熱中症予防情報サイト掲載の指針値4区分と一致。最終更新:2026年6月16日。
21〜40℃
20〜100%
暑さ指数(WBGT)の目安
約26℃
警戒
運動や激しい作業をする際は、定期的に充分な休息を取ってください。
危険: WBGT 31℃以上
厳重警戒: 28〜31℃
警戒: 25〜28℃
注意: 25℃未満
日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針 Ver.4」の室内用WBGT簡易推定図にもとづく目安です。 日射のない室内専用で、屋外や日が差し込む部屋、調理場など発熱体のある室内では使えません。 正確な値は黒球付きのWBGT計で測定してください。体調がおかしいと感じたら、この数値にかかわらずすぐに涼しい場所で休んでください。
このツールでできること
家庭の温湿度計で測った室温と湿度を入れるだけで、暑さ指数(WBGT)の目安が表示されます。 WBGTは1954年に米国で熱中症リスクの指標として提案され、湿度と気温・日射(輻射)の3要素を組み合わせた値で、現在はISO7243・JIS Z 8504で国際規格化されています。 気温だけを見ても危険度はわかりません。湿度が高いと汗が蒸発しにくく、同じ気温でも体温が下がりにくくなるためです。
日本生気象学会の「日常生活における熱中症予防指針Ver.4」では、WBGT31以上を「危険」、28〜31未満を「厳重警戒」、25〜28未満を「警戒」、25未満を「注意」の4区分に分け、それぞれに行動指針が示されています。 このツールは室内用推定図を使い、室温21〜40℃・湿度20〜100%の範囲でWBGTの目安を返します。 黒球温度を実測しない簡易版なので、屋外や日が差し込む部屋では使えません。
想定する使い方は、(1) 朝の起床時にその日のエアコン稼働の判断材料にする、(2) 離れて暮らす高齢の親の部屋の状態を電話で確認する、(3) 子どもの部屋・保育園送迎の判断、(4) 屋外作業前の熱順化チェック、(5) ペット(犬・猫)のための室内環境チェック、などです。 より厳密な業務利用には、JIS B7922対応のWBGT計(5,000〜30,000円程度)または環境省の熱中症予防情報サイトの予測値・実測値の併用をおすすめします。
使い方(3ステップ)
- 室温を入力:温湿度計で測った室温を℃で入力(21〜40℃の範囲)
- 湿度を入力:同じ温湿度計の相対湿度を%で入力(20〜100%の範囲)
- 結果を確認:暑さ指数の目安と4区分(危険/厳重警戒/警戒/注意)が表示されます
温湿度計の置き場所と読み取りのコツ
温湿度計の設置場所で表示値は大きく変わります。 居間なら椅子に座ったときの頭の高さ(床から1.2m前後)、寝室なら枕元の高さ(床から30〜50cm)に置きます。 直射日光が当たる窓辺、エアコンの吹き出し口の真下、テレビ・冷蔵庫の上は実温度と乖離するので避けます。 キッチンは調理中の湯気・コンロの熱で高く出るため、計測は調理後に行います。
一般的なデジタル温湿度計(1,000〜3,000円)は気温と相対湿度のみを表示しますが、WBGT表示付きの機種(3,000〜10,000円)もあります。 JIS B7922対応の業務用WBGT計(黒球温度を実測、5,000〜30,000円)は、屋外でも使えるため、建設現場・運動会・屋外イベントで利用されています。 温湿度計の精度は機種により±1〜3℃の差があるため、複数置いて平均を取ると確度が上がります。
こんなときに便利
① 朝起きた時にエアコンの判断
温湿度計を見て、WBGT28を超えていたらエアコンON。28未満なら扇風機・除湿で様子見、というルール化ができます。
② 離れて暮らす高齢の親を電話で確認
「今、何℃?湿度は?」と読み上げてもらい、こちらでWBGTを判定。「31超えてるからエアコン入れて」と具体的に伝えられます。
③ 子ども・赤ちゃんの寝室
夜中に汗だくになっていないか、WBGTで客観的に判断。乳児は体温調節が未熟なので、寝室のWBGTは25未満が望ましい。
④ 梅雨時の蒸し暑さ
気温は25℃でも湿度90%だとWBGTは27前後。「気温が低いのに体がしんどい」原因が湿度だと一目でわかります。
⑤ ペット(犬・猫)の留守番
特に短頭種(パグ・ブルドッグ・ペルシャ)は熱中症リスクが高い。留守番時はWBGT28以下を目安にエアコン設定。
⑥ 在宅勤務の作業効率
WBGT28を超えると認知パフォーマンスが10〜20%低下するという研究も。集中力が落ちる前にエアコン設定を見直す。
日本の気候・住宅事情にあわせた解説
日本は高温多湿の気候のため、WBGTは欧米諸国よりも実生活への影響が大きい指標です。 特に梅雨明け直後(7月中旬)と猛暑日が連続する8月上旬は、WBGT31以上の日が連続することがあり、毎年熱中症による救急搬送が急増します。 総務省消防庁の月別速報では、7〜8月の搬送者数が年間搬送数の8〜9割を占め、65歳以上の高齢者が全体の約半数を占めます。
住宅事情としては、断熱性能が低い古い木造住宅では、屋外より室温が高くなるケース(特に2階・ロフト)が多く、温湿度計の数値はWBGT指針値の上限近くで推移します。 一方で気密性の高い新築マンションでは、エアコンを切ると湿度がこもり、外気温より体感温度が高くなる現象(カビ・ダニ対策にも影響)が起きます。 いずれにせよ、温湿度計を1台置いて「数字で判断する」のが、自分の感覚に頼るよりも安全です。
自治体レベルでは、東京都・大阪府・名古屋市など主要都市が「クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)」を指定し、役場・図書館・公民館・ショッピングモールを誰でも涼みに行ける施設として開放しています。 熱中症特別警戒アラート発表時には、これらの施設が積極的に開放され、エアコンが壊れた家庭・停電時の避難先として機能します。
利用上の注意
- このツールは日射のない室内専用です。屋外・日が差し込む部屋・調理場では使えません
- 家庭用温湿度計の精度は±1〜3℃。複数台で平均を取るか、JIS B7922対応のWBGT計の併用を
- めまい・頭痛・吐き気などの症状があれば、数値にかかわらずすぐに涼しい場所で休息、改善しなければ119番
- 業務利用(建設・製造・農業)では、JIS Z 8504に基づく作業強度別基準値の確認を
- 正確な値は黒球付きのWBGT計で測定してください
- 救急要請の判断に迷ったら#7119(救急安心センター事業、対応エリアあり)に電話相談
よくある質問
Q. 暑さ指数(WBGT)とは何ですか?気温と何が違うのですか?
A. 熱中症の危険度を表すための指標で、気温だけでなく湿度や日射の影響を取り込んだ数値です。湿度が高いと汗が蒸発しにくく、同じ気温でも熱中症になりやすくなります。WBGTは湿度の影響を大きく反映するため、気温よりも熱中症の危険度をよく表すとされています。1954年に米国で提案され、ISO7243・JIS Z 8504で国際規格化されています。
Q. WBGTの「危険」「厳重警戒」「警戒」「注意」の区分は何で決まっていますか?
A. 日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.4」で定められた4区分で、WBGT31以上が「危険」、28〜31未満が「厳重警戒」、25〜28未満が「警戒」、25未満が「注意」です。スポーツ活動には日本スポーツ協会の運動指針があり、WBGT31以上は原則運動中止、特に子どもは中止すべきとされています。
Q. 屋外やベランダ、日が差し込む部屋でも使えますか?
A. 使えません。このツールの推定図は「日射のない室内」専用です。屋外や日が差し込む部屋、調理場など発熱体のある場所では、実際のWBGTがもっと高くなります。屋外の暑さ指数は、環境省の熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)で地点ごとの実測・予測値が公開されているので、そちらをご覧ください。
Q. 「危険」と出たらどうすればいいですか?
A. すぐにエアコンなどで室温を下げ、水分と塩分を補給してください。WBGT31以上の環境では、高齢者は安静にしていても熱中症になる危険があります。「暑さは我慢するもの」と考えてエアコンを使わない高齢の方が室内で熱中症になるケースが毎年多く報告されています。めまい・頭痛・吐き気などの症状があれば、ためらわず医療機関や救急(119)に相談してください。
Q. 熱中症警戒アラートと熱中症特別警戒アラートの違いは?
A. 熱中症警戒アラートは、暑さ指数(WBGT)が33以上と予測される地域に発表される注意喚起。前日17時と当日5時に発表されます。熱中症特別警戒アラートは、都道府県内のすべての地点で35以上が予測される、過去に例のない危険な暑さの場合に前日14時に発表される、より強い警告です。特別警戒アラート発表時には、自治体の指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)が開放されます。
Q. 高齢の親がエアコンを嫌がります。どう説得すれば?
A. 正論で説き伏せず、心理面から組み立てます。「電気代は自分が出すから」「医者にエアコンを使えと言われた」「孫が遊びに来るから」「除湿だけでもいい」「窓を開けるとかえって熱が入る」などのフレームが有効です。詳しくは関連記事「高齢者の室内熱中症」をご覧ください。
Q. 子どもの体育や部活動でWBGTいくつから中止すべきですか?
A. 日本スポーツ協会の運動指針では、WBGT31以上は「運動は原則中止、特に子どもは中止すべき」とされています。28以上は「厳重警戒」で激しい運動・持久走は避け、25以上は「警戒」で30分おきに水分補給を行います。詳しくは関連記事「子どもと保育園・学校の熱中症対策」をご覧ください。
Q. 屋外作業や建設現場のWBGT基準はどう違いますか?
A. JIS Z 8504に基づき、作業強度別にWBGT基準値が定められています。重量物運搬・シャベル作業など高代謝率作業は熱順化者でWBGT26、非順化者で23が上限。2025年6月施行の労働安全衛生規則改正で、WBGT28以上または気温31以上の作業では、報告体制・実施手順・関係者周知が罰則付きで義務化されました。詳しくは関連記事「屋外作業・建設現場の熱中症対策」をご覧ください。
Q. 計算結果は保存されますか?
A. 保存されません。入力した数値は端末内(ブラウザ)でのみ処理され、外部サーバーに送信されません。登録・ログインも不要です。再度計算するときは画面を更新してください。