eGFR・腎機能の計算
健康診断のクレアチニン値と年齢を入れるだけで、 推算糸球体濾過量(eGFR)と慢性腎臓病(CKD)のステージ目安が表示されます。
出典・一次情報(日本腎臓学会・全国腎臓病協議会準拠)
- 日本腎臓学会「腎機能測定ツール」一般向けページ(jsn.or.jp/general/check/)
- 全国腎臓病協議会「診断基準について」CGA分類・eGFR計算式(zjk.or.jp 診断基準)
- 全国腎臓病協議会「腎臓病の症状について」尿毒症症状・むくみ(zjk.or.jp 症状)
- 厚生労働省「腎疾患対策」CKD対策の政策方針(mhlw.go.jp 腎疾患対策)
健康診断の結果表で「Cr」「CRE」「クレアチニン」と書かれている項目です。
eGFR(推算糸球体ろ過量)
83.1mL/分/1.73m²
ステージG2(正常または軽度低下)
年齢相応の範囲であることが多い値です。尿たんぱくの指摘がなければ、心配のない値です。
eGFRは「腎臓が1分間にどれだけ血液をろ過できるか」の推定値で、健康な腎臓の働きを100点とした点数のイメージで読めます。 60を下回る状態が3ヶ月以上続くと慢性腎臓病(CKD)と診断されます。
日本腎臓学会の推算式(eGFR = 194 × クレアチニン値^−1.094 × 年齢^−0.287、女性は×0.739)による18歳以上向けの目安です。 筋肉量が極端に多い方・少ない方では実際の腎機能とずれることがあります。 このツールは診断ではありません。正確な評価は尿検査(尿たんぱく)とあわせて医師が行います。
このツールの特徴
- ・日本腎臓学会の3変数式(194×Cr^-1.094×年齢^-0.287、女性×0.739)に準拠
- ・G1(正常)・G2(軽度低下)・G3a・G3b・G4・G5の6段階を色分け表示
- ・全角入力(NFKC正規化)に自動対応。健診紙の数字をそのまま貼り付けられる
- ・計算は端末内で完結し、入力値は外部送信されない
- ・年に一度の健診で去年と今年の値を見比べる用途に最適
使い方(3ステップ)
- クレアチニン(Cr、mg/dL)を入力
- 年齢(歳)を入力し、性別を選択
- eGFR値とGステージの目安を確認
詳細手順とステージ別の対応
① G1(eGFR 90以上):正常または高値
腎機能は問題なし。ただし尿たんぱくや尿潜血が陽性なら、CKDの可能性があるためかかりつけ医で精査。 糖尿病・高血圧があれば、その管理を継続。
② G2(60〜89):正常または軽度低下
多くの場合は年齢相応で経過観察。健診で毎年eGFRを記録し、下降スピードに注意。 尿たんぱく陽性ならG2でもCKDの基準を満たすため、専門医へ。
③ G3a(45〜59):軽度〜中等度低下
CKDの診断対象。塩分6g/日未満、肥満・喫煙・過量飲酒の改善、血圧130/80未満の管理を開始。 糖尿病があるならHbA1c 7%未満を目指す。3〜6ヶ月ごとにeGFRと尿たんぱくをチェック。
④ G3b(30〜44):中等度〜高度低下
腎臓専門医への紹介が推奨されるレベル。たんぱく制限(0.6〜0.8g/kg/日)、カリウム・リン制限、 貧血(エリスロポエチン低下)や骨ミネラル代謝異常への対応が始まる。
⑤ G4(15〜29):高度低下
専門医による厳重な管理が必要。透析・腎移植の準備期に入る。 シャント造設や腹膜透析カテーテル留置、献腎・生体腎移植登録の検討が始まる時期。
⑥ G5(15未満):末期腎不全
透析または腎移植が原則必要。尿毒症症状(吐き気・倦怠感・むくみ)が出てくる。 G5でも導入のタイミングは症状や合併症で判断するため、必ず腎臓専門医の管理下で。
こんなシーンで使えます
- ・健康診断でクレアチニンの値だけが書かれていてeGFRが分からないとき
- ・去年と今年のeGFRを比べて、下降スピードを確認したいとき
- ・糖尿病・高血圧で通院中、自宅でeGFRの変化を毎月チェックしたいとき
- ・人間ドックでG3aと指摘されて、ステージの意味を理解したいとき
- ・両親や祖父母の健診結果を、子・孫として理解しておきたいとき
- ・尿たんぱく陽性と言われ、CGA分類で重症度を見たいとき
- ・腎臓に負担のかかる薬(NSAIDs・造影剤)を使う前の自己確認に
日本のCKD対策と一次情報
- ・厚労省は2018年「腎疾患対策検討会報告書」を改定、新規透析導入患者数の年35,000人未満化を目標に
- ・日本腎臓学会のeGFR推算式は194×Cr^-1.094×年齢^-0.287(女性×0.739)の3変数式
- ・CKD重症度評価はC(原疾患)×G(GFR区分)×A(蛋白尿区分)のCGA分類が標準
- ・G3a+A1は緑(リスク低)、G3a+A3はオレンジ(高リスク)と組合せで判定
- ・健診で尿たんぱく0.15g/gCr以上、または30mg/gCr以上のアルブミン尿でA2/A3
- ・特定健診(40〜74歳)では血清クレアチニンと尿たんぱくがセットで測定される
- ・日本透析医学会の年次調査で全国の透析患者は約35万人(2023年末)
- ・腎臓は一度悪くなると元に戻りにくいが、進行を遅らせる介入は十分可能
免責事項
本ツールは日本腎臓学会の推算式に基づくeGFRと、全国腎臓病協議会・CKD診療ガイドの分類を参考にした一般的な目安を示すもので、 医師による診断・治療判断を代替するものではありません。 高度低下(G4・G5)の疑いがある場合、尿たんぱく陽性の場合、急激にeGFRが下がっている場合は、 必ず腎臓内科・腎臓専門医を受診してください。妊娠中、小児、激しい筋肉量変動がある方では推算式の精度が下がります。
よくある質問
Q1. eGFRとクレアチニンの違いは?
クレアチニンは血液中の老廃物の濃度、eGFRはそれと年齢・性別から推算した「腎臓の実力」です。 クレアチニンは筋肉量に左右されるためそのままでは比較しにくく、eGFRに換算することで男女・年齢差を補正できます。
Q2. eGFR60未満が3ヶ月続くとCKDと診断される?
はい。日本腎臓学会のCKD診療ガイドでは、eGFR60未満(G3a以下)または尿たんぱく陽性などの腎障害所見が 3ヶ月以上続くと慢性腎臓病(CKD)と診断します。一度引っかかったら、必ずかかりつけ医で再検査を。
Q3. G3a・G3b・G4・G5は何が違う?
G3aはeGFR45〜59(軽度〜中等度低下)、G3bは30〜44(中等度〜高度低下)、G4は15〜29(高度低下)、 G5は15未満(末期腎不全)。G4以降は腎臓専門医への紹介、G5に近づくと透析や腎移植の検討が必要です。
Q4. 尿たんぱくA1/A2/A3との組み合わせは?
CGA分類はC(原疾患)・G(GFR区分)・A(蛋白尿区分)の組み合わせで重症度を見ます。 同じG3aでもA1(尿蛋白正常)なら緑、A3(高度蛋白尿)ならオレンジ〜赤と段階が変わるため、必ずセットで確認を。
Q5. 年齢でeGFRは自然に下がる?
はい。eGFRは加齢に伴って年に0.3〜0.5ずつ低下するのが自然な変化です。 「絶対値」より「下降スピード」が重要で、1年で5以上下がる場合は糖尿病・高血圧・薬剤性などの原因を調べる必要があります。
Q6. クレアチニン以外の腎機能指標はある?
あります。シスタチンCを使ったeGFR(筋肉量に影響されにくい)、24時間蓄尿によるクレアチニンクリアランス、 尿アルブミン定量(糖尿病患者で特に重要)など。本ツールはクレアチニンベースの推算式のみ採用しています。