退職後の任意継続vs国保 2026年|2年間・標報上限32万円・どちらが安いか月給別早見
2026年6月15日更新(令和8年度・協会けんぽ任意継続上限32万円・健保料率9.90%対応)
先に結論
- ・退職後の健康保険は①任意継続②国民健康保険③家族の扶養の3択
- ・任意継続は2年間限定、令和8年度の標準報酬月額上限32万円(変更なし)で計算
- ・任意継続は在職中の保険料が労使折半→全額自己負担になるので約2倍に
- ・国保は前年所得で決まるので、退職1年目は高く・2年目以降は安くなる傾向
- ・退職日翌日から20日以内に任意継続を申請しないと国保しか選べなくなる
退職後の3択:任意継続・国保・家族の扶養
会社員を辞めた後の健康保険は、原則として次の3つから選びます。それぞれ要件と保険料計算が大きく違うので、退職前にざっくり比較しておくと判断が早いです。
- ・① 任意継続被保険者:協会けんぽに2年間継続加入。在職中の標準報酬月額(または全国平均:令和8年度は32万円が上限)で計算した保険料を、本人が全額負担
- ・② 国民健康保険:住所地の市区町村に加入。前年の所得・世帯人数・自治体の料率で決まる。均等割+所得割の合算
- ・③ 家族の扶養:配偶者や親が会社員で健保に加入していて、年間収入見込み130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)なら扶養に入れる。保険料負担ゼロ
扶養に入れるなら原則それが最強です。任意継続と国保の比較は、扶養に入れない場合の二択になります。
任意継続:2年・上限32万円・全額自己負担
任意継続は退職時点の標準報酬月額か協会けんぽの全国平均標準報酬月額(令和8年度は32万円)のいずれか低い方を使って保険料を計算します。在職中の労使折半が外れて全額自己負担になるので、ざっくり在職中の倍と思っておけば外れません。
令和8年度の全国平均健康保険料率は9.90%(協会けんぽ・全国平均)、介護保険料率は1.80%(40歳〜64歳)です。32万円×9.90%=月額31,680円(40歳未満)、32万円×(9.90%+1.80%)=月額37,440円(40歳〜64歳)が任意継続の上限保険料の目安になります。都道府県により料率が±0.5%程度ブレるので、お住まいの支部の保険料額表で確認してください。
申請は退職日翌日から20日以内に協会けんぽ支部へ「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出。20日を1日でも過ぎたら国保しか選べません。保険料を1日でも納付期限に遅れると即時資格喪失になるので、口座振替の利用が安全です。
国保:前年所得ベース・自治体差大
国民健康保険料は前年(前年1月〜12月)の所得を元に、住んでいる市区町村の料率で計算します。基本構成は次の4要素の合計で、自治体により計算方式が異なります。
- ・所得割:所得×料率(医療分・後期高齢者支援分・介護分)
- ・均等割:世帯の加入者人数×定額
- ・平等割:1世帯あたり定額(採用していない自治体もあり)
- ・資産割:固定資産税額×料率(採用していない自治体多数)
退職1年目は前年が会社員時代の高い所得で計算されるため国保が高くなりがち、2年目以降は退職した年の所得で計算されるので大きく下がるのが一般的です。任意継続と国保を比較する際は、2年間の合計で考えるのが正解です。
月給別の損益分岐:おおよその目安
ざっくりした目安として、月給で次のような損益分岐が出ます(40歳未満・東京都・扶養なしの単身の場合)。
- ・月給25万円以下:国保のほうが安い傾向(任意継続は標準報酬25万円ベースの保険料、国保は前年所得から各種控除を引いた額×料率なので国保有利)
- ・月給28万円〜32万円:拮抗。世帯人数や自治体料率で逆転
- ・月給35万円以上:任意継続のほうが安い傾向(標準報酬月額上限32万円で頭打ちになるため)
ただしこれは退職1年目の単年比較です。国保は2年目に大幅に下がるので、2年合計では国保有利に振れることが多くなります。月給40万円以上の高所得者でも、無職になる前提なら2年目国保が劇的に安く、トータルで国保が勝つケースもあります。
令和8年4月改正:任意継続被扶養者の年収要件
令和8年4月1日から、任意継続被保険者の被扶養者となるための要件が改正されました。労働契約内容による年間収入が基準を超える場合、被扶養者として認められなくなるケースが出てきます。
配偶者・子・親などを任意継続の被扶養者として入れる予定がある場合は、退職前に協会けんぽ支部へ電話で確認するのを推奨します。年収の壁チェックの130万円要件と組み合わせて判定するのが安全です。
途中で任意継続をやめる場合、2年経過・就職・後期高齢者医療制度該当・保険料未納・本人申出(令和4年1月から認められる)のいずれかで資格喪失します。任意継続から国保に切り替えるベストタイミングは、退職翌年の住民税が確定する6月以降に国保保険料を再見積もりして判断するのが定石です。
在職中の社保料から退職後を試算
月給と都道府県を入れるだけで、在職中の社会保険料が出ます。任意継続は概ねその2倍が目安。
社会保険料の計算を使う関連する制度ツール
- ・住民税の計算(退職翌年の住民税で国保再判定)
- ・年収の壁チェック(扶養に入れるかの判定)
- ・傷病手当金シミュレーター(退職後継続給付の要件)
- ・標準報酬月額の決め方
- ・産休育休の社保免除
出典(一次情報・2026年6月確認)
本記事は協会けんぽ・厚生労働省の令和8年度公表値を基に作成しています。国民健康保険料は自治体によって料率・計算方式が大きく異なるため、正確な金額はお住まいの市区町村国保課で試算してください。健保組合に加入していた方の任意継続は、組合独自の上限・料率が適用されます。