住民税が非課税になる年収のライン 2026|単身/扶養あり/年金受給者の判定
2026年6月23日更新(令和8年度・令和7年の所得分・1級地基準)
一次情報3根拠(2026年6月23日 Chrome MCPで公式サイト確認済み)
- 1. 総務省「個人住民税」 /均等割4,000円(都道府県1,000円+市町村3,000円)+森林環境税1,000円、所得割10%(都道府県4%+市町村6%)の基本構造
- 2. 東京都主税局「個人住民税」 /給与所得控除最低保障65万円・公的年金等控除65歳以上110万円(令和8年度)の速算表
- 3. 横浜市「令和7年度税制改正(令和8年度住民税適用)」 /扶養親族の合計所得要件 48万円→58万円、給与収入ベース103万円→123万円、特定親族特別控除(19〜23歳未満)の新設
先に結論(1級地・東京23区・横浜市・大阪市など)
- ・単身(扶養なし):給与年収約110万円以下で均等割・所得割とも非課税
- ・夫婦のみ(配偶者扶養あり):給与年収約170万円以下
- ・夫婦+子1人:給与年収約221万円以下
- ・65歳以上の年金受給者・単身:年金年額約155万円以下
- ・非課税世帯になると、給付金・国保保険料の軽減・保育料減免・高額療養費の自己負担上限など多くの制度が連動
住民税が「0円」になるのはどういう状態か
住民税は「均等割(定額5,000円・森林環境税1,000円込み)」と「所得割(課税所得×10%)」の2階建てです。「非課税」というのは両方がゼロになることを意味します。実は段階が2つあり、所得が少しずつ増えると次の順番で課税が発生します。
- 1. 完全非課税(均等割も所得割もゼロ):非課税限度額以下
- 2. 均等割のみ課税(所得割はゼロ):所得が非課税限度額をわずかに超えた帯
- 3. 均等割+所得割の両方が課税:所得が基礎控除+社保控除を超えた帯
多くの自治体給付金が条件にする「住民税非課税世帯」は1の完全非課税を指します。「均等割のみ課税世帯」は別カテゴリとして扱われることが多いので、自分がどの段階かを把握しておくと制度の利用判断がしやすくなります。実際の住民税額を確認したい場合は住民税の計算シミュレーターで年収・扶養人数を入れると、年額・月額・所得割・均等割の内訳まで出ます。
1級地・2級地・3級地で基準が違う
非課税限度額は地域の生活費水準を反映して3段階に分かれています。生活保護の級地区分と同じ仕組みで、住んでいる自治体によって非課税ラインが異なる点が、住民税独特のポイントです。
- ・1級地(東京23区・横浜市・川崎市・さいたま市・千葉市・大阪市・名古屋市・京都市・神戸市・福岡市など物価が高い都市):扶養なしの単身で合計所得45万円以下が非課税
- ・2級地(県庁所在地・中核市・主要都市):扶養なしの単身で合計所得41.5万円以下
- ・3級地(その他地域・町村部):扶養なしの単身で合計所得38万円以下
給与収入で言うと、1級地は110万円(45万+給与所得控除65万)、3級地は103万円あたりが境目です。住んでいる自治体が何級地かは、市区町村の市民税課サイトか総務省の級地区分一覧で確認できます。同じ年収でも引っ越し先で課税世帯になることがあるので、市町村合併や転居の際は要確認です。
扶養人数×級地 早見表(給与収入ベース)
| 家族構成 | 1級地 | 2級地 | 3級地 |
|---|---|---|---|
| 単身(扶養なし) | 約110万円 | 約106.5万円 | 約103万円 |
| 夫婦のみ | 約170万円 | 約165万円 | 約156万円 |
| 夫婦+子1人 | 約221万円 | 約211万円 | 約205万円 |
| 夫婦+子2人 | 約272万円 | 約257万円 | 約255万円 |
| シングル親+子1人 | 約205万円 | 約197万円 | 約190万円 |
※ ひとり親控除・障害者控除など個別控除があると非課税ラインはさらに上がります。実際の判定は自治体の市民税課または住民税の計算で確認してください。
扶養家族がいる場合の計算式(1級地)
扶養親族(配偶者・子・親など)がいる場合、非課税限度額が1人あたり一定額上乗せされます。計算式は次のとおり(1級地の例)。
- ・均等割の非課税限度額:35万円×(本人+扶養親族数)+10万円+21万円
- ・所得割の非課税限度額:35万円×(本人+扶養親族数)+10万円+32万円
2級地は基礎額が31.5万円、3級地は28万円に下がります。「本人+扶養親族数」には本人を含むことに注意してください。単身なら1、夫婦のみなら2、夫婦+子1人なら3で計算します。配偶者の合計所得が58万円以下(給与収入123万円以下)であれば配偶者控除の対象となり、非課税限度額の計算でも「扶養親族数」に含まれます。
年金受給者の非課税ライン
65歳以上の年金受給者は公的年金等控除110万円が使えるため、給与所得者より非課税ラインが高くなります。1級地での目安は次のとおり。
- ・単身・65歳以上:年金年額約155万円以下(公的年金等控除110万+基礎控除43万+2万=155万付近)
- ・夫婦・65歳以上:年金年額約211万円以下(配偶者控除込み)
- ・単身・65歳未満:年金年額約105万円以下(公的年金等控除60万)
- ・夫婦・65歳未満:年金年額約171万円以下
厚生年金と国民年金の合計、企業年金・iDeCo受給を含めた年金収入の合計で判定します。年金以外にパート収入がある場合は給与所得を足して合計所得を出す必要があります。65歳の誕生日が年の途中にある場合、その年は65歳未満の控除額(60万円)が適用される自治体が多いので、判定時の年齢にも注意してください。
令和8年度(2026年度)の改正で非課税ラインも変わる
令和7年度税制改正により、令和7年1月1日〜12月31日の収入を基礎とする令和8年度の個人住民税から大きな見直しが入りました。非課税ライン判定に直結する主な変更点は次の3つです。
- ・給与所得控除の最低保障:55万円 → 65万円(給与収入190万円以下)
- ・同一生計配偶者・扶養親族の合計所得要件:48万円 → 58万円(給与収入103万円 → 123万円)
- ・特定親族特別控除(新設):19〜23歳未満の子で合計所得58万円超123万円以下(給与収入123万円超188万円以下)の場合、納税義務者に最大45万円の控除
単身で言うと、給与所得控除が10万円増えた分、非課税ラインも実質的に押し上がります。扶養親族判定の基準も「年収103万円の壁」から「年収123万円の壁」に移行しているため、配偶者や子のアルバイト・パート収入が103〜123万円の帯にいる世帯は、令和8年度から扶養に入り直せるケースが出てきます。
非課税世帯になると連動するもの
住民税非課税世帯になると、住民税本体が0円になるだけでなく、多くの制度の自己負担が連動して下がる・給付金の対象になるのが大きいです。年単位で見ると、非課税世帯と均等割課税世帯では数十万円の差が出ることもあります。
- ・低所得世帯向け給付金(自治体独自・国の臨時給付・物価高対策給付など)
- ・国民健康保険料の軽減(7割・5割・2割減額)
- ・高額療養費の自己負担上限が下がる(住民税非課税は月35,400円)
- ・介護保険の自己負担上限が下がる(高額介護サービス費)
- ・保育料の減免(自治体により無償化)
- ・大学・高校の修学支援(給付型奨学金・高等教育の修学支援新制度)
- ・NHK受信料の全額免除(障害者世帯のみ・申請制)
- ・後期高齢者医療保険料の軽減(7割・5割・2割)
非課税ライン直近の「制度の崖」と節税戦略
年収が非課税ラインを少し超えると、住民税の発生だけでなく、上記の制度連動メリットが一気に消える「制度の崖」が起きます。例えば1級地・単身で給与年収112万円の人は、住民税本体は数千円でも、非課税世帯向け給付金(10万円規模)の対象から外れて手取りが大幅マイナスになることがあります。
ボーダー付近の人はiDeCo・小規模企業共済・確定拠出年金で合計所得を意図的に下げて非課税世帯に留まる節税戦略が成立することもあります。iDeCo年12〜27.6万円の掛金を全額所得控除すれば、非課税ラインを超えた年収帯でも合計所得を48万円以下に抑え込めるケースがあります。ただし60歳まで引き出せない流動性リスクと天秤にかける必要があるため、家計の手元現金状況を踏まえて判断してください。
自分が非課税かどうかを判定する手順
- 1. 給与収入(源泉徴収票の「支払金額」)または年金年額を把握する
- 2. 住んでいる市区町村が1級地・2級地・3級地のどれかを総務省の級地区分一覧で確認する
- 3. 扶養人数(本人+扶養親族)をカウントする(配偶者の合計所得58万円以下なら扶養に含む)
- 4. 早見表(本記事上部)と照らし合わせて、合計所得が非課税限度額以下かを確認する
- 5. ボーダー付近なら、市区町村の市民税課に「住民税課税証明書」を取り寄せて、前年の住民税が0円だったかを実証する
給付金の申請時は「住民税非課税証明書」の提出を求められることが多く、これは市区町村の市民税課や住民票交付窓口で1通200〜300円で取得できます。マイナンバーカードがあればコンビニ交付(コンビニ印刷)にも対応している自治体が増えています。
よくある質問
Q. 「住民税非課税世帯」と「均等割のみ課税世帯」はどう違う?
非課税世帯は均等割(5,000円)も所得割もゼロ。均等割のみ課税世帯は均等割5,000円だけ払い、所得割はゼロ。給付金の対象範囲が違うため、自治体に「どちらの区分か」を確認するのが確実です。
Q. 退職した翌年も非課税になる?
住民税は前年所得への課税なので、退職翌年の住民税は退職した年の所得で決まります。年の途中で退職した場合、退職金以外の所得が非課税ライン以下なら翌年は非課税世帯になります。詳しくは退職翌年の住民税編を参照。
Q. 世帯分離すれば非課税世帯になれる?
住民票上の世帯分離をしても、住民税の課税判定は個人単位で行われるため、世帯分離だけでは非課税になりません。ただし国保保険料や介護保険料の自己負担額は世帯単位で判定するため、世帯分離で軽減が受けられるケースはあります。市区町村窓口で必ず事前確認を。
Q. パート主婦が非課税になるラインは?
令和8年度から、扶養配偶者の給与収入は123万円以下が「扶養親族」の判定基準です。本人自身の住民税は1級地で給与収入110万円以下が非課税。123万円稼ぐと本人に住民税は発生しますが、配偶者の扶養からは外れません。
Q. 確定申告したら非課税のままでいられる?
確定申告は所得を「正しく申告」する手続きなので、非課税ライン以下の所得しかなければ確定申告しても非課税のままです。むしろ非課税世帯は給付金申請のために「住民税申告書(収入なし申告)」の提出が必要なことが多いので、収入ゼロでも市区町村への申告は推奨されます。
自分が非課税ラインの手前か後か
年収・扶養人数を入れると、住民税年額と非課税ラインまでの距離が出ます。
住民税の計算を使う関連する制度ツール
- ・住民税の計算(本ツール)(年額・月額・所得割・均等割の内訳)
- ・年収の壁チェック(103万・123万・150万・160万の判定)
- ・iDeCoの掛金(合計所得を下げて非課税世帯維持)
- ・高額療養費の自己負担上限(非課税世帯は月35,400円)
- ・社会保険料の計算(国保保険料軽減の連動)
- ・ふるさと納税の上限額(非課税世帯はメリットなし・課税世帯のみ)
出典(一次情報・2026年6月23日確認)
本記事は1級地(東京23区・横浜市・大阪市など)の基準を中心に記載しています。2級地・3級地(市町村)は均等割の非課税限度額の基礎額が31.5万円・28万円と低く、給与収入ベースの非課税ラインが数万円ずつ下がります。お住まいの市区町村が何級地かは、市区町村の市民税課または総務省の級地区分一覧で確認してください。本記事の数値は一般的な目安であり、個別の控除(障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除など)の有無で実際の非課税ラインは変動します。確定的な判定は市区町村の市民税課への照会または住民税課税証明書の取得で行ってください。