表書きは「贈る理由」を一語で表す
表書きは水引の上中央に書く、贈り物の名目を表す言葉です。場面・時期・宗派で言葉が決まっているため、迷ったらこの辞典で照合してください。 該当する言葉を選べば、水引・熨斗飾りも自動的に決まります。
慶事の表書き7種
| 表書き | 場面 | 水引 |
|---|---|---|
| 御祝 | 出産祝・入学祝・新築祝・長寿祝など慶事全般の万能表書き | 紅白蝶結び |
| 寿 | 結婚祝・婚礼関連(寿は一字でフォーマル度が高い) | 結び切り10本 |
| 内祝 | 出産・結婚・新築祝のお返し、または家中の祝い事を分かち合うとき | 蝶結びor結び切り(用途に合わせる) |
| 御中元 | 関東:7月1日〜15日/関西:7月中旬〜8月15日 | 紅白蝶結び |
| 御歳暮 | 12月初旬〜12月20日頃。年内のご挨拶 | 紅白蝶結び |
| 御年賀 | 元旦〜1月7日(松の内)の新年挨拶 | 紅白蝶結び |
| 快気祝 | 病気・けがの全快のお祝い・お見舞いいただいた方への返礼 | 紅白結び切り5本 |
季節挨拶の表書き3種 — 時期切替が必須
御中元・御歳暮の時期を過ぎたら、季節挨拶の表書きへ切り替えます。 時期を過ぎたまま「御中元」と書くと、マナー違反とみなされる場合があります。
- 暑中御見舞・暑中御伺:7月16日〜立秋(8月7日頃)まで。御中元の時期を過ぎたら使用。 「御伺」は目上の方への敬語表現。
- 残暑御見舞・残暑御伺:立秋(8月8日頃)〜8月末まで。 暑中時期を過ぎたらこちらへ切替。
- 寒中御見舞・寒中御伺:1月8日〜立春(2月3日頃)まで。 御年賀の時期(松の内)を過ぎたらこちらへ。
気軽な贈り物の表書き2種
- 粗品:軽い贈り物・町内会の景品・営業先への手土産など。 「粗末なもの」と謙遜する言葉だが、現代では気軽な贈答全般に使用。
- 御餞別:転勤・退職・引越しする方へのはなむけ。 退職祝いや転居祝いを兼ねるケースが多い。会社内では「○○一同」の連名で贈ることも。
弔事の表書き — 宗派・時期で変わる
弔事の表書きは宗派・葬儀から何日経過しているかで変わります。 間違えると失礼にあたるため、慎重に選んでください。
| 表書き | 使用時期・宗派 | 水引 |
|---|---|---|
| 御霊前 | 通夜・葬儀(49日まで)/宗派問わず万能(浄土真宗は除く) | 黒白結び切り |
| 御仏前 | 四十九日法要以降(年忌法要も)/浄土真宗は当日から | 黒白結び切り |
| 御香典・御香料 | 仏式葬儀全般。御霊前と同義で使われる | 黒白結び切り |
| 志 | 香典返し・法事の引き出物の万能表書き | 黒白結び切り |
| 御玉串料・御榊料 | 神式の葬儀・式年祭 | 黒白結び切り(双銀も可) |
| 御花料・御ミサ料 | キリスト教式(カトリック・プロテスタント) | 水引なし(白封筒)または白黒結び切り |
なぜ浄土真宗は当日から「御仏前」?
浄土真宗では、亡くなった人は阿弥陀如来のお力によりすぐに極楽浄土へ往生して仏になる(即得往生)と教えます。 このため、亡くなった瞬間から「仏様」として扱い、通夜の段階で「御霊前」(仏になる前の霊)ではなく「御仏前」(仏様の前)を使うのが正式です。
他の仏教宗派(曹洞宗・臨済宗・浄土宗・日蓮宗・天台宗・真言宗)では、四十九日までは霊として ご遺族・寺院で供養し、四十九日に成仏すると考えるため、それまでは「御霊前」を使います。
用途に迷ったら「御祝」「内祝」「志」が万能
場面別の表書きを覚えるのが大変なら、以下の万能3語を覚えておけば多くの場面で失礼を避けられます。
- 御祝:すべての慶事に使える万能表書き
- 内祝:すべての慶事のお返しに使える
- 志:弔事のお返し・法要の引き出物全般
ただし婚礼は「寿」、弔事は「御霊前/御仏前」のほうがフォーマル度が高いので、フォーマルな場面では使い分けることをおすすめします。