主婦パートと106万円の壁 2026年10月撤廃|130万円との違い・損しない働き方
2026年6月15日更新(2025年6月成立の年金制度改正法に対応)
先に結論
- ・106万円の賃金要件は2025年改正で撤廃決定(施行から3年以内、おおむね2026年10月目処)
- ・撤廃後は週20時間以上働けば金額問わず勤務先の社保に加入
- ・130万円の壁(家族の社保の扶養から外れる)は今後も残る
- ・配偶者特別控除は給与160万円まで満額(38万円)、198万円でゼロ
106万円の壁がなくなるのはいつから?
2025年6月13日に成立した年金制度改正法で、短時間労働者の社会保険加入要件のうち「月額賃金8.8万円以上(年収換算約106万円)」の賃金要件が撤廃されることが決まりました。施行は法律公布から3年以内とされており、おおむね2026年10月が目処です。
撤廃後は、週20時間以上の勤務(学生でない・2か月超の雇用見込み)であれば、月額賃金がいくらであっても勤務先の厚生年金・健康保険に加入することになります。「ギリ8.8万円未満に抑える」働き方は意味を持たなくなります。
企業規模要件も段階的に拡大される
現在は従業員51人以上の事業所が対象ですが、改正により次のスケジュールで拡大します。
- ・2027年10月:36人以上の事業所まで拡大
- ・2029年10月:21人以上の事業所まで拡大
- ・将来的には企業規模要件そのものを撤廃する方向で議論中
小規模な店舗・事業所でパートをしている方も、数年以内に「勤務先で社保加入」が標準になると見込んでおいたほうが安全です。
130万円の壁との違い(残る壁・なくなる壁)
混同しやすいので整理します。
- 106万円の壁(勤務先の社保加入)
→ 賃金要件撤廃で「金額の壁」としては実質なくなる。代わりに週20時間以上かどうかが判定軸になる。 - 130万円の壁(家族の社保の扶養)
→ 今後も残る。年収見込みが130万円を超えると、配偶者の健康保険の扶養から外れて、自分で国保・国年を払うことに。
週20時間未満で働くなら、引き続き「130万円以内に収まるかどうか」が手取りに影響する最大の境目です。
160万円・198万円の税の壁
税側の壁も令和7年12月1日施行の改正で動きました(令和7年分以後の所得税に適用)。
- ・給与123万円:本人が「扶養親族」から外れる(合計所得58万超)
- ・給与160万円:本人に所得税がかかり始める(基礎控除95万+給与所得控除65万)
- ・給与160万円:配偶者特別控除が満額(38万円)の境目
- ・給与198万円:配偶者特別控除がゼロになる
配偶者の手取りベースで考えると、給与160万円までは配偶者(特別)控除が満額なので、配偶者側の税金は変わりません。「150万円以上稼ぐと配偶者控除が消える」は改正前の話です。
損しない働き方の考え方(撤廃後)
- 週20時間未満で抑えるなら、引き続き130万円以内が境目。
- 週20時間以上働く前提なら、撤廃後は社保加入が確定するので、社保負担(給与の約15%・会社折半)を回収できる給与150万〜160万円を狙う発想に切り替える。
- 配偶者特別控除を満額残したいなら、給与160万円以内。
- 「106万円を1円でも超えたら大損」は撤廃後は迷信になる。週20時間がジャストの境目。
自分の年収見込みは、どの壁の手前?
配偶者の扶養内で、次の壁までの残り金額を即表示します。
年収の壁チェックを使う関連する制度ツール
- ・住民税の目安(パートでも約110万円から発生)
- ・社会保険料の計算(106万・130万を超えた後の負担額)
- ・ふるさと納税の限度額(160万円超で寄付枠が出る)
- ・iDeCoの掛金(パート加入後の節税)
出典(一次情報・2026年6月確認)
本記事は令和7年12月1日施行の所得税改正と2025年6月成立の年金制度改正法の確定値を一次情報で確認したものです。社会保険の運用は勤務先・健康保険組合によって異なるため、最終判断は勤務先にご確認ください。