はがきの種類 — 私製はがき・通常はがき・かもめ〜る
暑中見舞いに使えるはがきは大きく3種類あります。それぞれ料金・印刷面・印象が異なります。
- 通常はがき(官製はがき):日本郵便が販売する切手付きはがき。表面に「郵便はがき」と印刷済み。料金は1枚63円(2025年時点)。最も無難で、目上の方・取引先に最適。
- 私製はがき:自分で用意した無地・絵入りのはがき。100×148mmの規格に収まれば、切手を貼って投函できる。デザイン性を出したいときに使う。
- かもめ〜る(夏のおたより郵便葉書):日本郵便がかつて販売していた、くじ付きの暑中見舞い専用はがき。2020年度(令和2年度)で販売終了。手元在庫があれば通常はがきと同じく使える。
自分でデザインを印刷したい場合は私製はがき(無地)に印刷するのが一般的です。「暑中見舞いの作成・印刷ツール」のような印刷ツールで作った文面は、私製はがき・通常はがきどちらの印刷面(裏面)にも印刷できます。
縦書きと横書き — 縦書きが基本
暑中見舞いはがきの本文は、縦書きが基本です。理由は2つあります。
- 年賀状を含む日本の伝統的なあいさつ状は縦書きが格上とされる
- 夏のイラスト(金魚・朝顔・うちわ)と縦書きの相性が良く、和の趣を演出しやすい
ただし以下のような場合は横書きでも問題ありません。
- 若い友人・親戚にカジュアルに送る場合
- 洋風のイラストやデザインを使う場合
- 海外住所への送付(横書きが現地で読まれやすい)
- 英文や数字を多く含む文面(縦書きだと読みづらい)
社外向け・目上の方向けは縦書き一択と考えるのが無難です。
表書き — 「暑中お見舞い申し上げます」が中央上部
暑中見舞いの表書きは、はがきの右上から中央にかけて大きく書くのが伝統的なレイアウトです。縦書きで「暑中お見舞い申し上げます」と書きます。
- 本文より2倍程度の文字サイズに
- 右上、右辺から1〜2文字分余白を取って配置
- 文字の色は黒または濃紺。淡い色は避ける
- 毛筆体・楷書・行書フォントが慶事には最適
- カラフルな装飾文字は親しい友人向け限定に
目上の方には「暑中お伺い申し上げます」とすると、より謙譲のニュアンスが伝わります(詳しくは相手別文例集)。
差出人の位置 — はがき下部・端寄り
差出人の氏名・住所は、はがきの下部・左端(縦書きの場合は本文の左下)に書きます。
- 住所:郵便番号・都道府県から市区町村まで詳細に
- 氏名:苗字+名前のフルネーム(連名なら一行)
- 法人なら会社名→部署名→個人名の順に上から
- 本文より小さいサイズ(70〜80%程度)に
- 夫婦連名なら夫の名を右、妻の名を左に並べる
- 差出年月(「令和○年盛夏」)は差出人の上に配置
「郵便番号検索」で差出人住所の郵便番号を確認できます。
宛名面(あて先面)の書き方
はがきの宛名面は、表書き・本文を印刷した裏面とは別に手書きまたはプリンタの宛名印刷機能で用意します。
- 右上に切手(私製はがきの場合・通常はがきは不要)
- 右側に郵便番号→住所→宛名の順に縦書き
- 宛名は本文より大きく。「様」「御中」「先生」などの敬称を忘れずに
- 左下に差出人の郵便番号・住所・氏名を小さめに
- 住所は番地まで省略せずに、ビル名・部屋番号も明記
会社宛は「会社名+御中」、個人宛は「氏名+様」、部署宛は「部署名+御中」、肩書を入れる場合は「会社名+肩書+氏名+様」が正式です。
夏のイラスト・モチーフの選び方
暑中見舞いのイラストは、季節感を出すと同時に涼しさを演出するのがポイントです。色合いは青・水色・白を基調にすると、見た目から涼しさが伝わります。
- 金魚:水中の涼しさ。最も定番
- 朝顔:夏の花。早朝の涼しさを連想
- 風鈴:音で涼を感じる夏の風物詩
- うちわ・扇:そのまま「涼む」を表現
- すいか・かき氷:夏の食べ物。カジュアルな相手に
- 富士山・海・空:青色基調の涼感
- ひまわり:明るい印象だが、暖色なので使う面積に注意
喪中の相手への送付や、目上の方への送付では、派手なイラストは避け、藍や墨絵調の落ち着いたモチーフを選ぶのが安全です。
暑中見舞いと残暑見舞いの違い — 言い回しを比べる
暑中見舞いと残暑見舞いは、出す時期が違うだけでなく、文章の細部の言い回しも変わります。
| 場所 | 暑中見舞い | 残暑見舞い |
|---|---|---|
| 時期 | 梅雨明け〜立秋前日 | 立秋〜8月末 |
| 表書き | 暑中お見舞い申し上げます | 残暑お見舞い申し上げます |
| 時候の表現 | 猛暑が続いておりますが | 立秋とは名ばかりの暑さが続いておりますが |
| 結び(月) | 盛夏/炎暑/酷暑 | 晩夏/立秋/葉月 |
| イラスト | 青基調の夏全開(金魚・朝顔) | 秋の気配(赤とんぼ・すすき)も可 |
投函日が立秋前後にかかる場合は、相手の手元に届く日を基準に判断してください(詳しくは時期と立秋切替の合図)。
よくある失敗
- 立秋を過ぎても「暑中」と書く:8月7日以降は「残暑お見舞い申し上げます」に切り替える
- 差出人を入れ忘れる:私製はがきや差出年月だけ印刷し、差出人住所を入れ忘れるのが意外と多い
- 令和○年の年が前年のまま:年明けからずっと使い回している差出年月のテンプレ年が古い
- イラストが派手すぎ:取引先・目上の方には控えめなデザインに
- 本文が長すぎる:暑中見舞いは3〜5行で簡潔に
- はがきサイズの設定ミス:印刷時に用紙サイズを「はがき100×148mm」に必ず設定
関連ツール・記事
- 暑中見舞いの作成・印刷 — 縦書きレイアウトで作成。
- 時期と立秋切替の合図 — いつから残暑見舞いに切り替えるか。
- 相手別文例集:友人・取引先・目上の方 — 立場別の書き分け。
- 郵便番号検索 — 宛名面の郵便番号確認。
- お中元の時期早見 — 暑中見舞いとお中元の使い分け。
- のし紙の作成・印刷 — 贈り物を添えるときのマナー。