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non-HDLコレステロールの計算方法と使いどころ

健康診断の結果に「non-HDL-C」と書かれていることが増えました。 総コレ−HDLで簡単に出る数値ですが、LDLとは別の意味を持つ重要な指標です。

non-HDLコレステロールの計算式

non-HDLコレステロールは、その名の通りHDL以外のすべてのコレステロールを指します。 計算式は極めてシンプル:

non-HDLコレステロール = 総コレステロール − HDLコレステロール

例えば総コレステロール220mg/dL、HDL 55mg/dLなら、non-HDLは165mg/dL。 診断基準(170)を下回るので「正常範囲」と判定できます。 健診票に総コレとHDLが書かれていれば、暗算でも計算可能です。

GL2022での診断基準

日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版(GL2022)では、 non-HDLコレステロールが170mg/dL以上で「高non-HDLコレステロール血症」と診断されます。 境界域は150〜169mg/dLとされ、リスクに応じた管理が推奨されています。

non-HDL値判定対応
170以上高non-HDL血症脂質異常症として治療検討
150〜169境界域リスクに応じて治療検討
150未満基準範囲内通常の生活管理

基準値はLDL基準(140)より30mg/dL高めに設定されています。 これは「VLDLレムナント分」を含むため。

なぜLDLでなくnon-HDLが必要なのか

動脈硬化を進める「悪玉コレステロール」はLDLだけではありません。 食後にできるカイロミクロン残骸(カイロミクロンレムナント)、 肝臓から出るVLDL(超低比重リポ蛋白)、 中間サイズのIDLなど、TG(中性脂肪)を多く含むリポ蛋白も同様に動脈硬化を進めます。

LDL値だけ見ていると、これらの「TGを含む悪玉」を見落とすことがある。 特に糖尿病・脂肪肝・メタボリックシンドロームの人は、 LDLが正常でもVLDLレムナントが多く、動脈硬化が進みやすい。 non-HDLならこれらを全部合わせて評価できます。

Friedewald式とLDLの計算限界

多くの健診で使われるLDL値は、Friedewald(フリーデワルド)式で計算されています:

LDL = 総コレ − HDL − TG/5

この式の問題は、TGが400mg/dL以上だと使えないこと。 式の前提(VLDL中のコレステロールはTGの1/5)が崩れるため、誤差が大きくなります。 このような場合、健診票には「LDL測定不能」と記載されたり、 別の式(友藤式・Martin式など)に切り替えられたりします。

こういう場面でnon-HDLが代替指標として登場します。 引き算だけなのでTG値に影響されず、誰でも正確に判定できます。

直接法LDLとの違い

最近の健診では、Friedewald式ではなく直接法LDL(D-LDL)を測定する施設も増えています。 直接法は計算ではなく試薬で直接LDLを測るため、TG高値でも誤差なく出ます。 ただし試薬代がやや高く、すべての施設で導入されているわけではありません。

自分の健診結果のLDL値が直接法か計算法かは、健診機関に問い合わせるか、 検査項目名を確認すれば分かります(「LDL-C(D)」「LDL-C(C)」などと書かれていることがあります)。 いずれにせよ、non-HDLを併せて見れば判定の精度が上がります。

non-HDLを下げるには

non-HDLは「LDL+VLDL+IDL+カイロミクロン残骸」の合計なので、 LDLとTGの両方を下げる対策が有効です:

LDLだけ下げる対策(飽和脂肪酸カットのみ)より、 TGも下げる対策(糖質・アルコールカット)を組み合わせると、non-HDLの改善が早いです。

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