スキャン書類が逆さま——180度回転で天地を直してPNG保存
複合機やコピー機の自動原稿送り(ADF)で書類をスキャンすると、原稿の向きと送る向きがズレていて天地が逆になることがあります。FAX受信したJPG、印鑑証明・住民票のスキャンPDFの1ページ目だけが逆さまといったケースも頻出。180度回転で直す手順と、文字書類で無劣化を保つ保存形式の選び方を整理します。
スキャン書類が逆さまになる主な原因
- ・ADF(自動原稿送り)に裏向き・天地逆で入れた:複合機のセット指示と原稿の向きがズレている。
- ・両面スキャンで裏面だけ180度反転:印刷の都合で両面の天地が異なる書類(請求書の控え等)。
- ・FAX受信原稿:送信側がセットを誤ると、受信側に天地逆で届く。
- ・古いスキャンドライバの設定ミス:「逆順スキャン」や「90度回転」がオフ。
- ・スマホ書類スキャンアプリの自動回転失敗:影が強い・コントラスト不足で誤判定。
180度回転で直す手順
書類が天地逆になっている場合、本サイトの 画像の回転・反転 ツールで180度回転して保存し直します。
- /img-rotate/ を開き、スキャン画像(JPG/PNG)をドラッグ&ドロップ。
- プレビューで天地が逆になっていることを確認。
- 「↻ 右に90°」を2回連続で押す(90×2=180度)。または「↺ 左に90°」を2回でも同じ結果。
- プレビューで天地が正しくなったことを確認。
- 文字書類なので「PNGで保存」を選択(理由は次節)。
- ダウンロードファイル名は「元のファイル名_回転.png」。元のファイルは上書きされない。
90度ずれ(横倒し)の場合は「↻ 右に90°」または「↺ 左に90°」を1回押すだけです。
なぜ文字書類はPNGで保存するのか
MDN Web DocsのHTMLCanvasElement.toBlob()仕様によれば、PNGは可逆圧縮(lossless)、JPGは非可逆圧縮(lossy)です。90度・180度の回転自体はピクセルの並べ替えなので情報量は変わりませんが、JPGで保存すると保存時に再圧縮が走り、文字エッジが微妙にぼやけたり、白背景に薄いノイズが乗ることがあります。
写真ならJPG(容量小・画質ほぼ無劣化)が合理的ですが、書類スキャンは「文字のシャープさ=可読性」が最優先のため、PNGの方が安心です。OCR(文字認識)にかける予定がある場合も、PNGの方が認識精度が落ちにくい傾向があります。
ファイルサイズが気になる場合は、PNGで保存した後に 画像圧縮 で別途容量を抑える方が、文字のシャープさを保てます。
複数ページPDFの場合
本ツールはJPG/PNG/WebPの単一画像を回転するもので、PDFの回転には対応していません。複数ページのPDFが部分的に天地逆になっている場合は、次の方法を組み合わせます。
- ・PDFのページを1ページずつJPG/PNGに出力(Acrobat・プレビュー.app等)。
- ・本ツール /img-rotate/ で各ページを回転して保存。
- ・再度PDFにまとめる(必要なら本サイトの PDF結合 )。
ページ数が多くて1ページずつの処理が大変な場合は、AdobeのAcrobat(有料)かMac標準のプレビュー.app(無料)にPDFのまま回転機能があるので、そちらが効率的です。
提出用書類で気をつけたい点
- ・印鑑証明・住民票:原本性が問われるので、向きの修正は許容されるが、改変はNG。回転のみOK、消しゴム・トリミングは避ける。
- ・役所提出用のスキャン:自治体によっては「天地正立・A4一杯・300dpi以上」を仕様としているケース。仕様を確認してから本ツールで向きだけ整える。
- ・銀行・税務署への送付:JPGの再圧縮で文字がボヤけると差し戻し対象になりうる。PNGで保存推奨。
- ・FAX再送用:天地を直したJPGをFAXソフトに読み込ませれば、相手に正しい向きで届く。
業務での実用ワークフロー
- 複合機でスキャン、または受信FAXをJPG出力。
- 本ツール /img-rotate/ で天地を確認・回転。
- 「PNGで保存」(文字の鮮明さ優先)。
- 個人情報(位置情報・撮影時刻)が含まれていれば Exif削除。
- ファイル容量が大きすぎれば 画像圧縮 で軽量化。
- メール添付・PDF結合・印刷など用途に応じて利用。
画像の回転・反転ツール → /img-rotate/
本記事は MDN Web Docs HTMLCanvasElement.toBlob()、MDN Web Docs CanvasRenderingContext2D.rotate()、MDN Web Docs CSS image-orientation を参照しています。