令和7年改正の給与所得控除をやさしく解説
国税庁No.1410(令和7年12月1日施行・令和7年分以降に適用)の改正内容を、年収別に整理します。パート・正社員・副業の人がそれぞれどう影響を受けるかを、具体的な金額例で確認しましょう。
1. 給与所得控除とは何か
給与所得控除は、会社員・パート・アルバイトといった「給与所得者」が、給与収入から自動的に差し引ける概算経費のようなものです。フリーランスの必要経費に相当する位置づけで、確定申告でも年末調整でも自動計算され、申請は不要。国税庁No.1410に金額表が掲載されています。
2. 令和7年改正後の控除額一覧
国税庁No.1410(令和7年分以降)の給与収入区分と控除額は次の通りです。
| 給与収入 | 控除額 |
|---|---|
| 190万円以下 | 65万円 |
| 190万円超〜360万円 | 収入×30% + 8万円 |
| 360万円超〜660万円 | 収入×20% + 44万円 |
| 660万円超〜850万円 | 収入×10% + 110万円 |
| 850万円超 | 195万円(上限) |
3. 年収別の控除額と課税ベース
時給1,200円×8時間×21日=月収約20.2万円→年収約242万円のケースで考えると、控除額は242×30%+8=80.6万円。給与所得=242−80.6=161.4万円。ここに基礎控除(48万円)や社会保険料控除などが加わり、最終的な課税所得が決まります。
年収600万円なら控除=600×20%+44=164万円。給与所得=436万円。年収800万円なら控除=800×10%+110=190万円。給与所得=610万円。年収1,000万円なら控除=195万円(上限到達)で、給与所得=805万円となります。
4. パート・扶養への影響
給与所得控除が190万円以下で65万円になったことで、所得税の「年収の壁」は基礎控除48万円+給与所得控除65万円=113万円から、基礎控除拡充も加わって123万円ラインに引き上げられました。時給1,200円のパートなら、月8.5万円(年103万円)以内なら所得税ゼロが目安。ただし社会保険の106万円・130万円の壁は別の制度で動いているので注意。詳細は年収の壁ツールへ。
5. 副業・複数の給与がある場合
給与所得控除は本業+副業の給与収入を合算した金額に対して計算します。本業300万円+副業100万円なら、合算400万円に控除を適用するので控除額は400×20%+44=124万円。本業・副業の年末調整は別々ですが、確定申告で合算するルールです。副業がアルバイトでなく業務委託(フリーランス)扱いなら給与所得控除は適用されず、源泉徴収10.21%後の報酬から実費の経費を引いて事業所得として申告します。
6. 時給設計に給与所得控除をどう織り込むか
時給から手取りを概算するなら「時給×時間×日数×12」が額面年収、そこから給与所得控除と基礎控除を引いた残りに所得税・住民税がかかります。額面に対する手取りの目安は75〜85%。時給⇔月収・年収換算で額面を出した後、手取り計算で税引き後を確認するのが実用的な流れです。