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領収書の但し書きテンプレ集|業種別書き方・「上様」「お品代」NGの理由

領収書の「但し書き」欄に何を書くか。実は「お品代」「商品代」のような曖昧な記載は、インボイス制度下で仕入税額控除が認められないリスクがあります。本ページは国税庁の公式情報3件に基づき、業種別の具体テンプレ、「上様」が否認される条件、印紙税17号文書との関係まで整理しています。

このページは国税庁タックスアンサー No.7105・No.7141・No.7125 を一次情報として参照しています。

このページは公式情報で裏取り済み

結論:但し書きは「取引内容を具体的に」書く

領収書の「但し書き」欄は、受領した金銭が何の対価かを示す重要な記載です。インボイス制度(適格請求書等保存方式)の下では、領収書が適格簡易請求書として機能する場合、取引内容(軽減税率対象の有無を含む)の記載が必須です。曖昧な但し書きは、買い手側で経費精算や仕入税額控除を否認される原因になります。

覚えるべきポイントは3つだけです。

「上様」「お品代」がNGとされる理由

「上様」「お品代」は古くからの慣行ですが、現在の税務実務では推奨されません。理由は単純で、誰が何を買ったか領収書だけでは特定できないからです。

「上様」のリスク

「上様」は法律で禁止されてはいませんが、消費税法上の適格簡易請求書では「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」の記載が原則必須です(小売業・飲食店業など特定業種は省略可)。税務調査で「実際には誰宛か特定できない」と判断されると、仕入税額控除や経費計上を否認されるリスクがあります。

「お品代」「商品代」「品代」のリスク

但し書きは「何を買ったか」を示すための欄です。「お品代として」とだけ書くと、贈答品・経費に該当しない私物・接待飲食代などとの区別がつきません。買い手の経理担当者は支払い理由を明示できないため、経費計上時に追加証憑(請求書・納品書)を要求するか、否認することになります。

業種別 但し書きテンプレ集

実務で使える業種別の但し書きテンプレートです。「◯◯代として」の形式で、取引内容を具体的に記載します。

業種但し書きテンプレ
飲食店お食事代として/会議用弁当代として/懇親会飲食代として
小売(事務用品)事務用品代として/文房具代として/コピー用紙代として
小売(書籍)書籍代として/業務用参考図書代として/新聞購読料として
建設業○○工事代金として(物件名・工種を併記)/資材代として
ITサービス○○システム保守料として/ライセンス利用料として/クラウドサービス利用料として
コンサルティング○○月分コンサルティング料として/業務委託料として
医療(自費診療)診察料として/施術料として/健康診断料として
教育・研修○○研修受講料として/講習会参加費として/資格試験受験料として
タクシータクシー代として(路線・区間を併記推奨)
旅行・宿泊宿泊料として/出張旅費として/会議室利用料として

※ 「○○」部分には具体的な物件名・サービス名・期間などを記載すると、税務調査時の説明が容易になります。

インボイス制度の必須記載事項6項目

適格請求書(インボイス)として領収書を発行する場合、消費税法第57条の4第1項に基づき以下6項目の記載が必須です(小売業・飲食店業・タクシー業・写真業・旅行業・駐車場業など不特定多数の者に対して行うものは「適格簡易請求書」として一部省略可)。

  1. 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号(T+13桁)
  2. 取引年月日
  3. 取引内容(軽減税率8%対象品目にはその旨を記載)
  4. 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜又は税込)及び適用税率
  5. 税率ごとに区分した消費税額等
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称(簡易請求書では省略可)

但し書きは項目3「取引内容」に該当します。「お品代」では取引内容として認められず、軽減税率対象(飲食料品・新聞)の有無も判別できないため、要件を満たしません。

印紙税17号文書(5万円以上)と但し書きの関係

国税庁No.7105・No.7141によると、領収書のうち「売上代金にかかる金銭又は有価証券の受取書」は印紙税法別表第一の第17号文書に該当します。受取金額が5万円未満は非課税、5万円以上で階段税率が適用されます。

但し書きと印紙税の関係で実務上問題になるのは、消費税額の取扱いです。但し書きや本文に「消費税額」を明記している場合、本体価格(税抜)で印紙税額を判定できます。逆に「消費税込み」のような曖昧記載や、消費税額の記載が一切ない場合は、税込総額で判定されてしまいます。

例:本体48,000円+消費税4,800円=52,800円の場合

営業に関しない受取書は印紙税非課税(No.7125)

国税庁No.7125によると、第17号文書のうち「営業に関しない受取書」は印紙税が非課税です。「営業」とは営利を目的として同種の行為を継続的・反復的に行うことを指し、以下は営業に該当しません。

※ 自由職業者でも、株式会社等の医療法人・税理士法人として営利目的で活動する場合は「営業」に該当し、印紙税が課されます。

但し書き NG vs OK 具体例

NG例(曖昧)OK例(具体)
お品代として事務用品代として(コピー用紙・トナー)
商品代として書籍代として『○○入門』他2冊
飲食代として2026年6月25日 会議用弁当代として5名分
サービス代として2026年6月分ホームページ保守料として
工事代として○○ビル外壁塗装工事一式として(請負契約書 No.123)
タクシー代として○○駅から取引先(××商事)までのタクシー代として

※ 日付・数量・物件名・契約番号など、取引を特定できる情報を但し書きまたは欄外に追記すると、税務調査時の根拠資料として有効です。

再発行・訂正時の但し書きの書き方

すでに発行した領収書を紛失した・取引内容を間違えた、というケースは少なくありません。再発行と訂正の取扱いは異なります。

再発行

原則として領収書の再発行は法的義務ではなく、二重発行による経費の二重計上を防ぐため、慎重な対応が必要です。再発行する場合は但し書きの末尾または欄外に「再発行(202X年○月○日発行分)」と明記し、社内台帳に発行日・金額・宛名・理由を記録します。

訂正

但し書きや金額の訂正は、訂正前の文字を二重線で消し、訂正印を押した上で正しい内容を記載します。修正液・修正テープの使用は改ざんと区別がつかないため避けます。電子領収書(PDF)の場合は再発行扱いになります。

電子領収書(PDF)と但し書き

電子領収書(PDFで授受する領収書)は、紙の領収書と同様に但し書きの記載が必要です。電子帳簿保存法の電子取引データ保存義務(2024年1月本格運用)により、電子で授受したものは電子のまま保存する必要があります。

電子領収書の重要な特徴:印紙税法上、電子データは「文書」に該当しないため、5万円以上であっても印紙税は不課税です(国税庁の照会回答済)。ただし、メール本文に画像として貼り付けて送付するだけでは「文書」と判定されるリスクがあるため、PDF添付として送付するのが安全です。

詳細は 電子帳簿保存法の電子取引データ保存ガイド を参照してください。

印紙税17号文書 階段税率の主要部分

国税庁No.7141に基づく、第17号文書(売上代金にかかる金銭又は有価証券の受取書)の階段税率です。但し書きで取引内容を特定する際、印紙金額の判定にも必要な情報です。

受取金額印紙税額
5万円未満非課税
5万円以上 100万円以下200円
100万円超 200万円以下400円
200万円超 300万円以下600円
300万円超 500万円以下1,000円
500万円超 1,000万円以下2,000円
受取金額の記載のないもの200円

※ 1,000万円超の階段税率は国税庁No.7141を参照。

よくある質問

Q1. 「上様」で受け取った領収書は経費にできますか?

金額が明確で、購入物が事業に必要な経費であることを別途証憑(請求書・納品書・カード明細など)で証明できれば、経費計上自体は可能です。ただし税務調査時のリスクを下げるため、極力「上様」は避け、宛名は正式名称で発行してもらうことを推奨します。

Q2. 但し書きを「お品代」のままにすると何が問題ですか?

最大のリスクは、インボイス制度下で適格請求書要件を満たさないことです。買い手が仕入税額控除を受けられず、結果として取引先からの信頼を失う可能性があります。また税務調査で「経費の用途が不明」と判定され、否認される可能性もあります。

Q3. 5万円未満なら但し書きを書かなくてもいいですか?

印紙税は不要ですが、領収書としての証憑性(取引内容を示す機能)は金額に関わらず必要です。インボイス制度下では金額に関わらず取引内容の記載が必須なので、但し書きは省略しないでください。

Q4. 但し書きに複数の内容を書いてもいいですか?

問題ありません。「事務用品代+書籍代として」のように区切って記載できます。ただし金額の内訳が異なる軽減税率対象(飲食料品など)が含まれる場合は、インボイス要件として税率ごとの区分記載が必要なので、可能であれば取引ごとに領収書を分けるか、内訳を欄外に追記します。

Q5. 電子領収書PDFには印紙は必要ですか?

必要ありません。印紙税法上、電子データは「文書」に該当しないため、5万円以上の電子領収書PDFも不課税です。これは国税庁の照会回答で公式に確認されています。電子帳簿保存法に基づく検索要件等は別途満たす必要があります。

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