印刷で「きれい」になるDPIは何?72・150・300・350・600の目安
DPI(解像度)の用途別目安と、なぜ印刷では300〜350dpiが標準になるのかを整理します。
参照した一次情報
- ・W3C「CSS Values and Units Module Level 4」§6.2 Absolute Lengths(drafts.csswg.org/css-values)
- ・MDN Web Docs「length」(CSSのpx/in/cm/mm定義)
- ・Adobe Photoshop ヘルプ「画像サイズと解像度」(helpx.adobe.com/2025-12-02更新)
DPIとは「1インチあたり何ピクセルか」
DPI(dots per inch)とPPI(pixels per inch)は厳密には別物(DPIは印刷出力、PPIは画像データ)ですが、印刷品質の文脈ではほぼ同義で使われます。Adobe Photoshopのヘルプも「解像度:印刷品質での1インチあたりのピクセル数(ppi)を指定します」と説明しており、本記事でも便宜上「DPI」に統一します。
1インチ=2.54cmなので、cm換算は cm=px÷DPI×2.54、px換算は px=cm÷2.54×DPI。これがすべての計算の土台です。
用途別のDPI目安
| 用途 | DPI | 理由 |
|---|---|---|
| Web・SNS | 72〜96dpi | CSS仕様(1in=96px)に揃える |
| 家庭用プリンタ・普通紙 | 150〜200dpi | 文字資料はこの帯で十分視認できる |
| 家庭用プリンタ・写真用紙 | 300dpi | Epson・Canonの標準推奨 |
| 印刷所入稿(チラシ・名刺) | 350dpi | オフセット印刷の業界標準 |
| 大判ポスター(A2以上) | 150〜200dpi | 鑑賞距離が遠いので低めでOK |
| 写真集・図録 | 600dpi | 細密な階調が必要なケース |
なぜ印刷は300〜350dpiが標準なのか
人の目が30cm離れた紙面で識別できる細かさはおおむね300〜400dpi前後と言われます。350dpi以上にしても見た目はほぼ変わらず、データだけ重くなります。一方で200dpi以下にすると文字や線の輪郭がギザつき、写真も眠い印象になります。
逆に大判ポスター(A2・B1など)は鑑賞距離が1m以上あるため150dpiでもきれいに見えます。スマホの「Retinaディスプレイ」が約260dpiでも美麗に見えるのも同じ理屈で、距離と密度のバランスで「十分な解像感」が決まります。
DPIを上げるだけでは画質は上がらない
画像編集ソフトで「リサンプリングなしでDPIを300→600に変更」しても、見た目の精細さは変わりません。総ピクセル数が増えていないからです。Photoshopの「画像サイズ」ダイアログでも、リサンプリングのチェックを外すとDPIを変えても幅・高さ(px)は据え置きになります。
「小さい画像を印刷用に高DPI化する」ことはできません。撮り直すか、印刷サイズを小さくしましょう。