「20%引き→20%増しで元に戻る」は誤り|パーセント往復誤差の正体
パーセントは「何に対しての何%か」が動くため、上下で同じ%を往復しても元値には戻りません。 1,000円→800円→960円で、結果は4%減です。
1. 数字で確かめる:1,000円の20%往復
1,000円の20%引きは1,000−200=800円です。この800円に対して20%増しを計算すると、800×0.2=160なので、800+160=960円。元の1,000円には届きません。
「20%引きだから0.8倍」「20%増しだから1.2倍」を掛け合わせると0.96で、ぴったり4%減です。同じ%だから打ち消し合うはずという直感は、ここでは正しく働きません。
2. なぜ戻らない?「基準」が動くから
20%引きの「20%」は1,000円に対しての20%、20%増しの「20%」は800円に対しての20%です。途中で基準が小さくなっているため、増し幅の絶対値(160円)は引き幅(200円)より少なくなります。
逆方向でも同じです。先に20%増し→20%引きと回しても、1,000→1,200→960で結果は同じ4%減になります。順序は関係なく、上下の基準が違うことが本質です。
3. 半額→倍掛けは元に戻る理由
50%引き(×0.5)のあとに100%増し(×2)は元に戻ります。0.5×2=1なので、これは「逆数の関係」だからです。一方、20%引き(×0.8)の逆数は1.25(25%増し)です。
つまり、X%引きを元に戻すには「X/(100−X) %」の増しが必要です。20%引きなら25%増し、10%引きなら約11.11%増しが必要、逆も同じ式が使えます。
4. セール・ボーナス・株価で同じ落とし穴
往復誤差はあちこちで顔を出します。たとえば株価が30%下落し、その後30%上昇しても、元の株価には戻りません(×0.7×1.3=0.91で9%減)。30%下落から完全に取り戻すには約42.86%の上昇が必要です。
- ・セールの「20%引き+クーポン10%引き」は0.8×0.9=0.72で28%引き(30%引きではない)
- ・給与「3%減+翌年3%増」は0.97×1.03=0.9991で約0.09%減のまま
- ・株価「半値→倍」は元に戻るが、「30%下げ→30%上げ」は9%減で止まる
5. 元に戻す%を計算する公式
X%下げから元に戻すために必要な上昇率は「X ÷ (100 − X) × 100 %」、逆にX%上げから元に戻すために必要な下落率は「X ÷ (100 + X) × 100 %」です。
- ・10%下げ → 元に戻すには約11.11%上昇が必要
- ・20%下げ → 元に戻すには25%上昇が必要
- ・30%下げ → 元に戻すには約42.86%上昇が必要
- ・50%下げ → 元に戻すには100%上昇(2倍)が必要
- ・80%下げ → 元に戻すには400%上昇(5倍)が必要
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