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住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

住宅ローン控除の申請手続き|初年度確定申告・2年目以降年末調整・必要書類8点・住民税控除上限9.75万円

公開日 2026年6月15日 / 出典:国税庁・総務省・住宅金融支援機構

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初年度は確定申告が必須|サラリーマンも例外なし

住宅ローン控除は「年末調整だけで完結する控除」と誤解されがちですが、初年度(居住開始した年の翌年2〜3月)は給与所得者であっても確定申告が必須です。会社が年末調整で処理してくれるのは2年目以降の話で、初年度に税務署へ自分で申告しない限り、控除はまったく適用されません。確定申告の期限は居住開始した年の翌年2月16日〜3月15日。例えば2026年7月に新居へ入居した場合は、2027年2月16日〜3月15日に確定申告書を税務署へ提出するか、e-Taxで送信します。期限を1日でも過ぎると「期限後申告」となり、住宅ローン控除自体は5年以内なら遡って申請できますが、それまでの間は控除を受けられず還付金も止まります。

初年度確定申告で還付される金額は「年末ローン残高×0.7%」が原則ですが、給与から源泉徴収された所得税の総額が上限になります。例えば年収500万円・控除限度額28万円のケースでも、源泉所得税が14万円しかなければ還付は14万円が上限で、引ききれない14万円は翌年度の住民税から差し引かれる仕組みです。住民税からの控除には上限があり、「前年分の課税総所得金額等×5%」(最大9.75万円)までしか引かれません。そのため低所得層では「控除限度額いっぱいまで使えないケース」が起こります。手取りが多いほど住宅ローン控除のメリットも大きくなる、累進的な制度です。

確定申告は税務署窓口・郵送・e-Taxの3経路で行えます。e-Taxはマイナンバーカード+ICカードリーダーまたはスマートフォン読み取りで自宅から24時間提出でき、添付書類の一部省略(登記事項証明書など)も可能。窓口の場合は2〜3月は混雑するため、2月中旬の早めに済ませるか、税理士に依頼するか、確定申告会場の事前予約(LINE経由)を使う方法があります。確定申告書の作成は国税庁「確定申告書等作成コーナー」がオンラインで使えて無料で、住宅ローン控除の入力フォームに沿って金額を入れるだけで自動計算・PDF出力されます。

初年度確定申告に必要な書類8点リスト

初年度確定申告では税務署へ以下の書類を添付します。1つでも欠けると還付が遅れたり、税務署から問い合わせの電話・郵便が来たりするので、契約・登記・住宅ローン借入の各段階で原本を保管しておくことが重要です。

  1. 確定申告書(第一表・第二表):所得・控除・税額を記載するメインの書類。国税庁の作成コーナーで自動生成可能。
  2. (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書:住宅ローン控除の計算に使う専用フォーム。借入残高・住宅取得対価・床面積などを記入。
  3. 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書:住宅ローンを借りた金融機関から毎年10〜11月頃に郵送される証明書。各銀行のマイページからPDF再発行も可能。複数の金融機関から借りている場合(ペアローン等)はそれぞれ発行が必要。
  4. 家屋の登記事項証明書:法務局で取得(オンライン申請も可)、1通600円。床面積・所在地・取得年月日が記載されており、控除要件の床面積50㎡以上を証明する書類。e-Tax利用なら省略可。
  5. 家屋の売買契約書または工事請負契約書の写し:住宅の取得対価と契約日を確認する書類。新築の場合は工事請負契約書、中古や建売は売買契約書。
  6. マイナンバー確認書類・本人確認書類:マイナンバーカード(表裏コピー)、または通知カード+運転免許証等。e-Taxはマイナンバーカードがあれば不要。
  7. 給与所得の源泉徴収票:会社から12月〜翌1月に交付される。確定申告書への添付は不要(e-Tax可)ですが、申告書作成時に給与収入・源泉徴収税額の入力に使います。
  8. 認定住宅・ZEH水準・省エネ基準の証明書類:住宅の性能区分により(A)長期優良住宅建築等計画認定通知書+住宅用家屋証明書、(B)低炭素建築物新築等計画認定通知書、(C)建設住宅性能評価書、(D)住宅省エネルギー性能証明書、のいずれか1点が必要。ハウスメーカーが取得を代行するケースが多く、引渡時に受け取ります。

中古住宅の場合は追加で(A)耐震基準適合証明書(昭和57年以前の建築物)、(B)住宅性能評価書、(C)既存住宅売買瑕疵保険付保証明書、のいずれかが必要です。買い替えで譲渡損失の繰越や3000万円特別控除を併用する場合は「住宅ローン控除と併用不可」のケースもあるため、別途タックスアンサー No.3370・No.3262等の確認が要ります。

2年目以降は年末調整で完結|住宅ローン控除証明書の見方

初年度の確定申告が完了すると、税務署から「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」が13年分まとめて郵送されます。これは2年目から13年目まで毎年1枚ずつ使う申告書で、年末調整時に勤務先へ提出することで、毎年の年末調整だけで控除が完結します。書類は1枚で控除可能額・借入限度額・住宅性能区分などが印字されており、自分で記入するのは「年末ローン残高」と「居住用部分の床面積割合」(通常100%)だけです。13年分まとめて郵送されるため、紛失しないよう専用フォルダで保管してください。万一紛失した場合は税務署で再発行できますが、申請から到着まで1〜2週間かかります。

年末調整に提出する書類は2点:(1)税務署から送られた「住宅借入金等特別控除申告書」(2年目分)、(2)金融機関から送られた「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」(毎年再発行)。会社の総務・経理担当に11月〜12月の年末調整書類提出期限までに渡せば、会社が源泉所得税の還付を翌年1月の給与で精算します。所得税で引ききれない控除額は翌年6月支給分から住民税が減額される形で還付されます。「住民税の還付がもらえる」というよりは「住民税が安くなる」感覚で、市区町村から特別な通知は送られてきません。

転職した場合は、新しい会社で年末調整を受けるなら、税務署発行の「住宅借入金等特別控除申告書」を新会社の総務に提出します。前職と新職をまたいで年内に複数の会社から給与を受けた場合は、年末調整ではなく確定申告が必要なケースもあります。育児休業中で給与がゼロの年は住宅ローン控除の枠を「使わない」だけで枠は消えず、復職後の残り年数で控除を受けられます。なお年末調整に間に合わなかった年は、自分で確定申告すれば後から還付を受けられます。

適用除外の落とし穴|所得2000万円超・床面積・併用不可

住宅ローン控除には「その年は控除を受けられない」適用除外要件がいくつかあります。最大の落とし穴は「合計所得金額が2000万円を超える年」で、令和4年税制改正で3000万円→2000万円に引き下げられました。給与収入だけなら年収約2,195万円超で2000万円ラインを超える計算です。役員報酬の昇給、退職金、土地の譲渡、株式譲渡所得などが重なると一時的に2000万円を超える年が出ます。例えば「在職中に株式譲渡で利益2,500万円が出た年」は、その1年だけ住宅ローン控除が止まり、翌年以降の控除も復活しません(13年の枠は止まった年も消費されたとカウント)。

床面積要件は登記簿上の床面積50㎡以上(特例で40㎡以上)です。注意点は「マンションの登記面積は壁芯ではなく内法面積で測られる」ことで、販売パンフレットの表記(壁芯)より5〜10%小さくなります。パンフレット上52㎡のマンションでも登記簿上は47〜49㎡になるケースがあり、控除対象外になる落とし穴です。特例の40㎡以上は合計所得金額1000万円以下の人だけが使えるもので、令和7年12月31日までの建築確認分(新築)に限定されます。床面積の半分以上が居住用であることも要件で、店舗併用住宅の場合は店舗部分を除いた床面積で判定します。

居住開始タイミングも要注意で、「取得日から6ヶ月以内に居住開始」「控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住」が原則です。単身赴任で住民票だけ移動した場合、家族(配偶者・親族)が居住していれば「やむを得ない事情で本人不在」と認められ控除継続可能ですが、家族も同居していなければ控除停止になります。海外赴任で住民票を抜くと「居住していない」扱いで控除中止、帰任して再居住すれば「再適用」の確定申告で復活可能。建物所有権の持分割合(共有名義)も自分の持分割合分だけが控除対象なので、夫婦ペアローンの場合は住宅ローン控除も持分割合に応じて分割計算します。「3000万円特別控除(譲渡所得の特別控除)」を使った年と前2年・後3年(合計6年間)は住宅ローン控除と併用不可で、買い替えで譲渡益が出た場合の選択は税理士相談を推奨します。

この記事の要点

よくある質問

Q. 確定申告を初年度に忘れた場合、もう住宅ローン控除は受けられませんか?

A. 過去5年以内なら「更正の請求」または「期限後申告」で遡って申請できます(国税通則法第23条)。例えば2026年に居住開始したが2027年の確定申告を忘れた場合、2032年3月15日まで申請可能。ただし税務署窓口での手続き必須でe-Taxは使えず、過去年分の源泉徴収票・年末残高証明書をすべて揃え直す必要があります。2年目以降に年末調整で気付いた場合は、「住宅借入金等特別控除申告書」が税務署から送られていないため、まず確定申告で初年度分を申請するところから始めます。

Q. 住民税からの控除は自分で申請するんですか?

A. いいえ、確定申告書または年末調整の情報が税務署→市区町村へ自動連携されるため、申請不要です。所得税から引ききれない金額が、翌年度(6月支給分から)の住民税から自動的に減額されます。市区町村から「住宅ローン控除が住民税で減額されました」という通知は送られませんが、6月送付の住民税決定通知書の「税額控除」欄に控除額が記載されています。控除上限は前年分の課税総所得金額等×5%(最大9.75万円)。年収300〜400万円帯では「所得税で引ききれない分が住民税の上限も超える」ことが多く、控除限度額全額を使い切れないケースが発生します。

Q. ペアローンの夫婦が共働きから片働きになった場合、控除はどうなりますか?

A. ペアローンは夫婦それぞれが借入主体で住宅ローン控除も別々に受けます。片働きになった配偶者(給与収入なし)は所得税・住民税ともゼロのため住宅ローン控除も使えなくなり、その年の控除枠は使えないまま消費されたとカウントされます(13年の残り年数は減る)。育児休業給付金は非課税で給与所得にならないため、育休中は同じく控除を使えません。対策として、共働き時にペアローン→片働き予定があるなら「収入合算(連帯保証型・連帯債務型)」を選んで主債務者だけが控除を受ける形にする方が、家族全体での控除総額が大きくなるケースがあります。住宅購入前に専門家相談を推奨します。

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