1. 第2号文書は「請負に関する契約書」
印紙税法別表第一の第2号文書は「請負に関する契約書」で、建設工事・リフォーム・修理・保守・運送・広告制作・出版・印刷・システム開発(受託開発)・映像制作・コンサルティング業務(成果物納品型)など、特定の仕事の完成を約束する契約が広く該当します。民法632条「請負人が仕事の完成を約し、注文者がその仕事の結果に対して報酬を支払う契約」の枠組みに該当する契約書はおおむね第2号文書扱い。一方、民法643条の委任契約(事務処理を委ねる契約・成果物の完成義務なし)は印紙税の課税対象外。実務で「業務委託契約書」「コンサル契約書」と呼ばれる契約は、成果物納品義務があれば請負(課税)、月額顧問料のような継続的事務処理なら委任(不課税)と分けて判断します。
2. 本則税額の段階表
第2号文書の本則税額: 1万円未満非課税、100万円以下200円、200万円以下400円、300万円以下1,000円、500万円以下2,000円、1,000万円以下10,000円、5,000万円以下20,000円、1億円以下60,000円、5億円以下100,000円、10億円以下200,000円、50億円以下400,000円、50億円超600,000円、契約金額の記載のないもの200円。例えば1,500万円のシステム開発委託契約書なら本則税額は20,000円。注意: 第1号文書とは段階刻みがやや異なる(100万円超〜200万円は第1号1,000円、第2号400円)ため、契約の性質を見誤ると課税誤りにつながります。土地と建物を売る契約書(譲渡)と、家を建てる契約書(請負)は別物です。
3. 建設工事の軽減税率(コードNo.7108)
国税庁No.7108「建設工事の請負に関する契約書の印紙税の軽減措置」により、平成26年4月1日〜令和9年3月31日に作成された契約金額100万円超の建設工事請負契約書には軽減税率が適用されます。軽減後の税額: 200万円以下200円、300万円以下500円、500万円以下1,000円、1,000万円以下5,000円、5,000万円以下10,000円、1億円以下30,000円、5億円以下60,000円、10億円以下160,000円、50億円以下320,000円、50億円超480,000円。先ほどの1,500万円のシステム開発委託契約書は「建設工事」ではないため軽減対象外で本則20,000円。建設業法の建設工事(新築・増改築・修繕)に該当する場合のみ軽減適用です。
4. 建設工事の範囲|内装・解体・電気工事は対象?
軽減税率の対象になる「建設工事」は建設業法2条の建設工事を指し、土木工事業・建築工事業・大工工事業・左官工事業・とび土工工事業・石工事業・屋根工事業・電気工事業・管工事業・タイルれんがブロック工事業・鋼構造物工事業・鉄筋工事業・舗装工事業・しゅんせつ工事業・板金工事業・ガラス工事業・塗装工事業・防水工事業・内装仕上工事業・機械器具設置工事業・熱絶縁工事業・電気通信工事業・造園工事業・さく井工事業・建具工事業・水道施設工事業・消防施設工事業・清掃施設工事業・解体工事業の29業種が該当。リフォーム・原状回復工事もこれらに該当する範囲なら軽減対象。家事代行・清掃サービス・引っ越し作業のような請負は建設工事ではないため軽減対象外で本則税額が適用されます。
5. 変更契約書・覚書・追加発注の取扱い
元の契約書を作成後に、契約金額や工期を変更する覚書・変更契約書を作成する場合の取扱い。①金額を増額する変更→増額部分について新たに印紙税が課税。例: 元契約3,000万円→変更後3,500万円なら、増額分500万円に対して第2号文書500万円以下2,000円(軽減1,000円)の印紙が必要。②減額する変更→印紙税200円(記載金額のない契約書扱い)。③単に工期延長など金額に影響しない変更→200円。④分割発注で複数枚の契約書を作る場合は、それぞれの契約書の金額で判定。総額をまとめて記載した一つの契約書のほうが印紙税が安くなるケースも多いため、契約の組み立て方は税負担を考えて設計します。
6. 注文書・請書・電子契約書の印紙税
注文書は原則として印紙税課税対象外ですが、注文書と請書をセットで契約成立を証明する場合、請書(注文請書)は第2号文書として課税対象になります。注文書のみで契約成立する慣行(基本契約書がある場合など)では注文書自体が第2号文書となるケースもあります。電子契約サービス(クラウドサイン・ドキュサイン等)で電子的に締結された契約書はPDFファイルであり「紙の文書」ではないため、印紙税は不要。これは国税庁の質疑応答事例でも確認されています。コスト面で電子契約への切り替えは大きなメリットがあり、特に建設・IT業界では急速に普及。書面契約と電子契約のコスト比較は契約規模が大きいほど効果が顕著です。本ツールで書面の印紙税額を確認し、電子化検討の判断材料にしてください。
手軽屋ツール実践手順
- 収入印紙の金額判定を開く
- 請負金額(税抜推奨)を入力
- 第2号文書を選択
- 建設工事に該当するか(軽減税率対象か)を判定
- 表示された税額を契約書原本2通に貼付し消印
- 電子契約の場合は印紙不要のため、コスト削減効果を試算
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参照: No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで(国税庁)、No.7108 不動産譲渡契約書・建設工事の請負に関する契約書の印紙税の軽減措置(国税庁)