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原稿料・講演料の源泉徴収|10.21%と20.42%の境目

国税庁タックスアンサーNo.2795「原稿料や講演料等を支払ったとき」の確定式にもとづき、100万円基準・150万円例・納付期限・納期の特例対象外の理由をフリーランス目線で整理します。

1. 確定式:100万円以下と100万円超

国税庁No.2795の確定式は次の2本です。

1円未満は切り捨て。10.21%は所得税10%×1.021、20.42%は所得税20%×1.021で、1.021は復興特別所得税2.1%上乗せ係数です。復興特別所得税は平成25年から令和19年(2037年)まで25年間継続するため、源泉徴収率は当面この値です。

2. 100万円基準は「1回の支払金額」で判定

ここでいう100万円は「同一人に対する1回の支払金額」で判定します。月ごと・案件ごとに区切って支払う場合は、それぞれの支払金額が100万円を超えるかで個別判定するのがポイントです。

支払い方を分けるか一括にするかで源泉額が変わる点は、契約・請求のタイミングを設計するときに重要です。年間契約を月割で支払う形にすると、源泉額が抑えられて受取側のキャッシュフローが改善します(年末の精算は確定申告で行うので、最終的な所得税は変わりません)。

3. 150万円例:204,200円の検算

国税庁No.2795に掲載されている代表例は「報酬150万円の源泉徴収税額=204,200円」です。確定式に代入すると次のように検算できます。

差引で支払う額(振込額)は 1,500,000円 − 204,200円 = 1,295,800円。書籍の印税一括支払い、年間講演契約の前払い、コンサル契約の一時金などで、100万円を大きく超える金額を受け取るときの検算に使ってください。

4. 納付期限は翌月10日(納期の特例対象外)

源泉徴収した所得税は、原則として支払月の翌月10日までに納付する必要があります。給与・退職手当・税理士等の報酬には「納期の特例」(年2回・7月10日と1月20日のまとめ納付)が認められていますが、原稿料・講演料・デザイン料・原画料などその他の報酬・料金は納期の特例の対象外です。

支払い側(発注者)は、毎月の支払いがあれば毎月10日までに源泉徴収税を納付しなければならず、納付遅延は不納付加算税(5%)・延滞税の対象になります。フリーランスは「源泉が引かれているのに納付されていない」という事故を避けるため、支払調書を取り寄せて確認するのが安全です。

5. 消費税の区分で源泉対象が変わる

請求書で報酬額と消費税額を明確に区分していれば、税抜額のみを源泉徴収の対象にできます(国税庁No.2792)。区分していない場合は税込額が源泉対象です。

フリーランスは請求書に「報酬」「消費税」を分けて書くだけで源泉が小さくなり、当月の入金額が増えます。インボイス制度(適格請求書等保存方式)開始後もこのルールは変更されていません。

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