賞与から引かれる社会保険料3点の仕組み|健保・厚生年金・雇用保険と住民税が引かれない理由
協会けんぽ・日本年金機構・厚労省の令和8年度料率に準拠(2026年6月時点)
ボーナス(賞与)から引かれるのは「健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料」の社会保険料3点と、所得税の合計4種類です。住民税はボーナスからは引かれません。本記事では、3つの社会保険料の計算ルールと、住民税が引かれない理由を、令和8年度の最新料率で整理します。額面から手取りを試算するときは「ボーナスの手取り計算」をご利用ください。
1. 標準賞与額(千円未満切捨)
健康保険と厚生年金の保険料は、賞与の額面そのものではなく「標準賞与額」を基準に計算されます。標準賞与額とは、額面から千円未満を切り捨てた金額のことです。
- 例:額面485,700円 → 標準賞与額485,000円(700円は切捨)
- 例:額面1,000,500円 → 標準賞与額1,000,000円(500円は切捨)
- 雇用保険のみ、額面そのものに料率を掛ける(切捨なし)
2. 健康保険料(令和8年度)
- 料率:協会けんぽは全国平均9.85%、都道府県別で9.50〜10.50%程度の範囲
- 労使折半:本人負担は半分なので約4.925%(全国平均)
- 介護保険料:40〜64歳は介護保険料1.62%が上乗せ、本人負担0.81%
- 年累計573万円キャップ:4月〜翌3月の年累計573万円までしか対象にならない
- 健康保険組合:独自料率の組合あり。給与明細で要確認
※都道府県別の正確な健保料率を知りたい場合は「健康保険料の計算」をご利用ください。
3. 厚生年金保険料(令和8年度)
- 料率:18.3%(全国一律・上限固定)
- 労使折半:本人負担は9.15%
- 1回150万円キャップ:1回の賞与あたり標準賞与額150万円が上限、超えても保険料は増えない
- 年に複数回独立適用:夏冬それぞれに150万円上限が適用
- 将来の年金額に反映:払った保険料が将来の老齢厚生年金に反映される
4. 雇用保険料(令和8年度)
- 本人負担料率:一般の事業 0.5%、農林水産・清酒製造の事業 0.6%、建設の事業 0.6%
- 切捨なし:賞与の額面そのものに料率を掛ける(標準賞与額ではない)
- キャップなし:いくら高額でも0.5%は一律
- 失業手当の財源:将来失業した場合の失業給付の財源になる
5. 住民税が賞与から引かれない理由
住民税は前年の所得を元に計算され、6月から翌5月の12回に分けて毎月の給与から特別徴収されます。賞与は特別徴収の対象外なので、ボーナスから住民税は引かれません。
理由は3つあります。
- 住民税は前年所得ベースで税額が確定しているため、当年の賞与には影響しない
- 給与所得者は「特別徴収」で1年を均等に12等分して徴収する仕組み
- 賞与に課税すると徴収月(6月・12月)の負担が大きすぎる
ただし、フリーランス・退職者は「普通徴収」で年4回の納付書払い、これは賞与の有無とは無関係です。
6. 引かれる順番と計算式(まとめ)
ボーナスから引かれる順番と計算式は次のとおりです。
- 標準賞与額 = 額面から千円未満切捨
- 健康保険料 = 標準賞与額 × 健保料率 ÷ 2(40〜64歳は介護保険料も)
- 厚生年金保険料 = min(標準賞与額, 150万円) × 18.3% ÷ 2
- 雇用保険料 = 額面 × 0.5%(一般の事業)
- 所得税の課税対象 = 額面 − 上記3点の合計
- 所得税 = 課税対象 × 賞与算出率(前月給与・扶養親族数で決まる)
- 手取り = 額面 − 健保 − 厚年 − 雇用 − 所得税
所得税の算出率の詳細は「賞与算出率表の読み方」をご覧ください。