メール本文の整形|RFC 5322の78字推奨を実務で使う
RFC 5322が定める本文行長の推奨「78 octets」と上限「998 octets」を、日本語メールでどう運用するか整理します。Outlook・Gmail・Apple Mailいずれも準拠した挙動です。
1. RFC 5322が定める本文行長
IETFが管理する RFC 5322「Internet Message Format」の Section 2.1.1「Line Length Limits」では、メール本文の1行の長さを次のように定めています。
- ・推奨:78 octets以下(CRLFを除く)
- ・上限:998 octets以下(CRLFを除く)
この「octets」はUTF-8でエンコードしたバイト数のことで、ASCII文字なら1字=1 octet、日本語(ひらがな・漢字)なら1字=3 octetsです。つまり、ASCIIなら78文字、日本語なら26文字(78÷3)でCRLFまでに収める必要があるという推奨です。
2. 日本語環境での「全角36〜40字」が基準になる理由
日本のビジネスメールでは「全角35〜40字で改行」というローカルルールが広く使われていますが、これはRFC 5322の78 octets推奨と若干乖離します。
- ・全角40字=120 octets → 78 octets推奨を超える(998上限内)
- ・全角26字=78 octets → 厳密推奨に収まる
- ・全角36字=108 octets → 推奨超過だが視認性重視のローカル慣習
MUA(Outlook・Gmail・Apple Mail)は78 octets超過でもエラーにせず受け取れるよう実装されているので、日本のビジネスメールで全角36〜40字運用してもメール配信に問題はありません。ただし、英語と日本語が混在するメールでは英語パートが78 octets内に収まるかを意識してください。
3. 各MUAの自動折り返し挙動
主要なメールクライアントは、送信時にRFC 5322の上限998 octetsを超えないように自動的に折り返しを入れます。
- ・Outlook:プレーンテキスト送信時に1行76文字相当で自動改行(オプションで変更可)
- ・Gmail:HTMLメールでは折り返しを入れない/プレーンテキストでは表示時に折り返し
- ・Apple Mail:送信時に78 octetsを目安に自動改行
- ・Thunderbird:「format=flowed」エンコードで送信時72字推奨
MUAの自動折り返しに依存すると、受信側で意図しない位置で改行されることがあります。重要なビジネスメールでは、本ツールで事前に全角36字や78 octets相当に整形してから送信するのが確実です。
4. ビジネスメールで読みやすい段落設計
行長だけでなく、段落の長さも読みやすさに直結します。ビジネスメールの実務では、以下を意識すると読み手の負担が下がります。
- ・1段落=3〜5行程度(多くても7行)
- ・段落と段落の間は1行空ける(空行を入れる)
- ・1メールあたりの段落数は3〜5段落(用件1つにつき1段落)
- ・箇条書きは「・」または「-」で揃え、文の途中で折り返さない
- ・引用(>)は2階層まで(>>以上は読みにくい)
本ツールで全角36字で分割すると、自動的に段落感が出るので、長文の打診メールや謝罪メールでも視覚的に整います。
5. 998 octets超過は何が起きるか
RFC 5322の998 octets上限を超えると、メール配信時に次の問題が起きる可能性があります。
- ・古いMTA(メール転送エージェント)でメッセージが拒否される
- ・SMTPの
format=flowedエンコードが崩れる - ・スパム判定スコアが上がる(特定のフィルターで)
- ・受信側MUAが意図しない位置で改行を挿入する
実際のところ現代の主要MUA・MTAは998 octets超過でもほぼ問題なく配信できますが、社内メーリングリストやレガシー受信側がある場合は、本ツールで300字(約900 octets)以下に分割しておくと安全です。
6. 関連ツール・記事
- ・長文を文字数で分割:全角36字プリセットで本記事の推奨が一発適用
- ・SNS別 文字数上限完全ガイド:X・LINE・Slackなどの上限
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