「自己都合」と「会社都合」は3つの軸で違う
退職理由の自己都合・会社都合(正式には「一般の離職者」と「特定受給資格者」)の違いは大きく3つ。①受給資格の被保険者期間、②給付制限の有無、③所定給付日数。総額にして30万円〜100万円規模の差が出ることもあるため、退職前に必ず確認しておく価値があります。
軸ごとの違い早見表
| 比較軸 | 自己都合 | 会社都合 |
|---|---|---|
| 必要な被保険者期間 | 退職前2年間に通算12ヶ月以上 | 退職前1年間に通算6ヶ月以上 |
| 給付制限 | あり(2025年4月以降1ヶ月) | なし |
| 所定給付日数(30歳未満・5〜10年) | 90日 | 120日 |
| 所定給付日数(45〜59歳・20年以上) | 150日 | 330日 |
| 初回入金の目安 | 手続きから約1.5〜2ヶ月後 | 手続きから約1ヶ月後 |
| 国民健康保険の軽減 | なし(任意継続を検討) | 前年所得を3/10とみなす軽減あり |
会社都合のメリットは「給付日数の延長」だけではありません。国保軽減や住宅ローン審査での扱いまで含めると、生活全体への影響は想像以上に大きいです。
2025年4月の給付制限短縮(2ヶ月→1ヶ月)
自己都合退職の給付制限期間は、長らく「3ヶ月」でしたが、2020年10月から「2ヶ月」に短縮、さらに2025年4月から「1ヶ月」に短縮されました。さらに、雇用保険の教育訓練を受講中に離職した場合は給付制限なし、5年間に2回までは1ヶ月制限が適用されます。
つまり「やむを得ない自己都合(パワハラ・健康問題など)」を主張しなくても、ふつうの転職でも待期7日+給付制限1ヶ月で支給開始。退職を考えている人にとっては大きな後押しです。
「会社都合扱い」になる主なケース
- 倒産・事業所閉鎖(特定受給資格者)
- 解雇(自己責任による重大な理由がある場合を除く)
- 退職勧奨に応じた退職
- 賃金の3分の1以上が2ヶ月以上未払い
- 就業条件と実際が著しく異なる(職種・勤務地の変更など)
- 残業が月45時間超×3ヶ月連続など、過重労働を理由とした退職(特定理由離職者)
- 体力の不足・心身の障害等で退職せざるを得なかった場合
離職票の離職理由欄に異議がある場合は、ハローワークで「異議あり」を選択し、証拠(給与明細・タイムカード・診断書など)を提示すれば、会社都合扱いに変更される可能性があります。
本ツールで実額を確認
失業保険の給付額計算では、自己都合・会社都合を切り替えるだけで給付日数と総額の差が即座にわかります。退職理由を交渉する前に、両ケースで試算しておくと「いくら違うのか」が具体的にわかり、判断がぶれません。