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業種別・形態別の請求書の書き方ガイド

フリーランス、個人事業主、小規模法人の使い分けから、建設業法第19条の請負契約書記載事項、IT・Web・コンサル業界の慣習、源泉徴収10.21%/100万円超20.42%の控除付き請求書の書き方まで、業種別に整理しました。

1. 事業形態による違い

形態請求書の書き方注意点
フリーランス・個人事業主氏名(屋号併記可)、住所、電話、登録番号(T+13桁)角印不要、源泉徴収対象業務の場合は控除欄
小規模法人(株式会社等)法人名、代表者名、本店所在地、登録番号(T+法人番号)角印は商慣行、登録番号は法人番号と同じ13桁
合同会社・LLC合同会社○○、代表社員名、住所、登録番号株式会社と同じ扱い、出資者向け請求はNG

2. IT・Web・コンサル業界の慣習

(1) 業務委託契約の請求書

(2) 成果物納品型の請求書

(3) 月額顧問契約の請求書

3. 建設業の請求書(建設業法第19条)

建設業者は建設業法第19条により、請負契約締結時に書面(請求書とは別の「請負契約書」)の交付が義務付けられています。請求書はこの請負契約に基づき発行します。

請負契約書の14項目(建設業法第19条第1項)

  1. 工事内容
  2. 請負代金の額
  3. 工事着手の時期および工事完成の時期
  4. 請負代金の全部または一部の前金払または出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期および方法
  5. 当事者の一方から設計変更または工事着手の延期もしくは工事の全部もしくは一部の中止の申出があった場合における工期の変更、請負代金の額の変更または損害の負担およびそれらの額の算定方法に関する定め
  6. 天災その他不可抗力による工期の変更または損害の負担およびその額の算定方法に関する定め
  7. 価格等の変動もしくは変更に基づく請負代金の額または工事内容の変更
  8. 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
  9. 注文者が工事に使用する資材を提供し、または建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容および方法に関する定め
  10. 注文者が工事の全部または一部の完成を確認するための検査の時期および方法ならびに引渡しの時期
  11. 工事完成後における請負代金の支払の時期および方法
  12. 工事の目的物の瑕疵を担保すべき責任または当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
  13. 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
  14. 契約に関する紛争の解決方法

建設業向け請求書のポイント

4. 源泉徴収対象業務と請求書

所得税法第204条により、以下の業務はその対価を支払う者(源泉徴収義務者)が所得税および復興特別所得税を源泉徴収する義務があります。

源泉徴収対象業務(個人事業主・フリーランス向け)

源泉徴収税率

源泉徴収は税込金額(消費税込)または税抜金額のいずれを基準にしても良いとされていますが、請求書において「報酬・料金等」と「消費税等」を明確に区分して記載している場合は、報酬・料金等の金額(税抜額)のみを源泉徴収の対象金額とできます(国税庁タックスアンサー No.6929)。

5. 源泉徴収付き請求書サンプル(フリーランスデザイナー)

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請求書(適格請求書)
発行日:2026年6月30日
登録番号:T1234567890123
発行者:手軽屋(代表 山田太郎)
請求先:株式会社サンプル 御中
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品目                数量   単価       金額
ロゴデザイン制作料    1    300,000    300,000
名刺デザイン制作料    1    100,000    100,000
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小計                              400,000円
消費税(10%)                      40,000円
合計                              440,000円
源泉徴収税額(▲10.21%)          ▲40,840円
お振込金額                        399,160円
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※源泉徴収は税抜400,000円×10.21%=40,840円
振込先:○○銀行 △△支店 普通 1234567

6. 100万円超のケースの計算

報酬・料金等(税抜)が100万円を超える場合、超過部分には20.42%が適用されます。

計算式

源泉徴収税額 = (税抜額 - 1,000,000) × 20.42% + 1,000,000 × 10.21%

例:税抜1,500,000円の場合

7. 源泉徴収不要な業務との区別

以下は所得税法第204条の対象外で、源泉徴収は不要です。

ただし、デザイン業務と開発業務の境界は曖昧で、請求書の業務内容が「デザイン料」と書かれていれば源泉徴収対象、「制作費」「開発費」となっていれば対象外、と判断されることもあります。源泉徴収義務者(支払側)が判断します。

8. 法人への支払と源泉徴収

原則として、法人(株式会社等)への報酬・料金支払は源泉徴収不要です。例外は「馬主である内国法人への賞金」のみ(所得税法第212条第3項)。フリーランスでも合同会社・株式会社などの法人格を持っていれば、源泉徴収対象業務であっても源泉徴収されません。

9. 出典・参照

形式に合った請求書を作るときは手軽屋の請求書作成ツールで。インボイス登録番号と経過措置の詳細はインボイス制度の登録番号と経過措置完全ガイド、支払いサイトと商慣行は支払いサイト・締め日・振込先マナーを参照してください。