3口座の基本スペック比較
| 項目 | iDeCo | 新NISA | 特定口座 |
|---|---|---|---|
| 掛金の所得控除 | 全額所得控除 | なし | なし |
| 運用益への課税 | 非課税 | 非課税 | 20.315%課税 |
| 受取時の課税 | 退職所得控除/公的年金等控除 | 非課税 | 譲渡所得 |
| 引出制限 | 原則60歳まで不可 | いつでも可 | いつでも可 |
| 年間拠出上限 | 14.4〜81.6万円 | 360万円 | 無制限 |
| 生涯上限 | なし(拠出期間制限) | 1,800万円 | 無制限 |
iDeCoの強みと弱み
iDeCoは私的年金制度で、厚生労働省が所管。 掛金全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除になり、運用益も非課税。 受取時は退職所得控除または公的年金等控除が使え、3段階の節税が最大の魅力。
- 強み:所得税・住民税の節税効果が新NISAより大きい(年収500万円会社員なら年6万円超)
- 弱み:原則60歳まで引き出せない。途中解約は実質不可
- 2024年12月改正:会社員の拠出上限が月2.0万円→2.3万円に引き上げ
- 運営管理手数料:金融機関ごとに無料〜年5,000円程度
新NISAの強みと弱み
新NISAは2024年から恒久化された個人投資家向け非課税制度(金融庁所管)。 運用益が非課税な点はiDeCoと同じだが、いつでも自由に引き出せる流動性が最大の魅力。
- 強み:流動性◎、生涯枠1,800万円・年間360万円の大枠、売却枠が翌年復活
- 弱み:所得控除なし。受取時控除もなし
- 非課税期間:無期限・恒久化
- 商品ラインナップ:つみたて枠は厳選投信のみ・成長枠は個別株/REIT可
特定口座の特徴
特定口座(源泉徴収あり)は通常の課税口座で、運用益・配当に20.315%(所得税15.315%+住民税5%)が課税されます。 引出制限なし・拠出上限なしの代わりに、税制優遇はゼロ。
- 確定申告不要(源泉徴収あり)または可(必要に応じて選択)
- 損益通算・繰越控除が可能(NISAではできない国税庁No.1535)
- iDeCo・新NISAの枠を使い切った後の追加投資先
節税効果の試算(年収500万円会社員)
| 口座 | 年間投入 | 所得税減税 | 住民税減税 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| iDeCo(月2.3万円) | 27.6万円 | 27,600円 | 27,600円 | 55,200円 |
| 新NISA | 120〜360万円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 特定口座 | 任意 | 0円 | 0円 | 0円 |
※所得税率10%・住民税10%の場合。年収が上がるほどiDeCoの節税効果は大きくなる(最高税率45%+住民税10%の高所得者は控除効果が3倍超)。
目的別 優先順位
結局どの順番で使えばいいのか。目的別に並べると以下のようになります。
| 目的・状況 | 優先1 | 優先2 | 優先3 |
|---|---|---|---|
| 老後資金一直線(40代会社員) | iDeCo(節税最大化) | 新NISA(つみたて枠) | 新NISA(成長枠) |
| 住宅・教育もある(30代) | 新NISA(流動性確保) | iDeCo(最低拠出) | 特定口座 |
| 独身ハイインカム(年収1,000万円〜) | iDeCo(節税大) | 新NISA フル360万円 | 特定口座(余剰) |
| 50代後半・残り運用期間短 | 新NISA(流動性) | iDeCo小額(受取年数制限) | 特定口座 |
| 自営業(国民年金第1号) | iDeCo月6.8万円フル | 小規模企業共済 | 新NISA |
iDeCoと新NISAの併用シミュレーション
年収500万円会社員・35歳・運用利回り5%で60歳まで25年間積立した場合の試算例。
- iDeCo月2.3万円:元本690万円→評価額約1,330万円(節税合計 約138万円)
- 新NISA月3万円:元本900万円→評価額約1,750万円(運用益非課税)
- 合計元本:1,590万円 → 評価額:約3,080万円
iDeCoの節税分を新NISAに再投資できれば、さらに数百万円規模で複利効果が伸びます。
共通の注意点
- iDeCo・新NISAともに「特定口座との損益通算不可」(国税庁No.1535)
- NISA配当は「株式数比例配分方式」を選択しないと課税扱いになる
- iDeCo受取時は「一時金vs年金」の受取方法選択で課税額が変わる
関連ツール
新NISAシミュレーターで利回り3/5/7%の将来資産を計算したあと、iDeCoシミュレーターで節税額も加味した「老後資金トータル試算」を組み合わせるのがおすすめ。