医療費控除 vs セルフメディケーション税制 どっちが得?
更新日:2026年6月15日 / 情報源:国税庁 タックスアンサー No.1120・No.1131(令和7年4月1日現在法令等)
先に結論
- 年間医療費が10万円超(総所得200万円未満なら総所得の5%超)なら、ふつうの医療費控除。
- 家族の年間医療費が10万円以下で、対象OTC医薬品を年1.2万円以上買うならセルフメディケーション税制。
- どちらか一方しか使えず、確定申告後の変更不可。試算してから選びます。
- セルフメディケーションは「健康診断・予防接種など」の取組を受けていることが条件。
2つの制度の違い
| 項目 | 通常の医療費控除 | セルフメディケーション税制 |
|---|---|---|
| 基準額 | 10万円(総所得200万円未満は総所得×5%) | 1万2千円 |
| 控除上限 | 200万円 | 8万8千円 |
| 対象 | 医療費全般(診療・処方薬・通院費・市販薬含む) | 対象OTC医薬品(共通識別マーク付き)のみ |
| 適用要件 | 特になし | 健康診断・予防接種など一定の取組を受けている |
| 選択 | どちらか一方のみ(後から変更不可) | |
金額帯別の得な方(総所得300万円・所得税率10%の例)
家族合計の年間医療費(うち対象OTC医薬品の購入額がカッコ内)を入れた場合の控除額・還付額の目安です。
| 年間医療費(うちOTC) | 通常控除の控除額 | セルメ控除額 | 得な方 |
|---|---|---|---|
| 3万円(うち2万円) | 0円 | 8千円 | セルメ |
| 5万円(うち3万円) | 0円 | 1.8万円 | セルメ |
| 8万円(うち4万円) | 0円 | 2.8万円 | セルメ |
| 12万円(うち5万円) | 2万円 | 3.8万円 | セルメ |
| 15万円(うち2万円) | 5万円 | 8千円 | 通常 |
| 20万円(うち1万円) | 10万円 | 0円(基準超えず) | 通常 |
| 30万円(うち6万円) | 20万円 | 4.8万円 | 通常 |
※「セルメ控除額」はOTC医薬品の購入額から1.2万円を引いた額(上限8.8万円)。所得税率10%の方なら控除額×10%が所得税還付の目安、控除額×10%が翌年度住民税の軽減の目安。
セルフメディケーション税制 対象OTC医薬品の見分け方
対象品はパッケージに共通識別マークが付いているか、レシートに対象品である表示があります(★や◆など)。代表的な分類は次のとおり。
- 解熱鎮痛薬(ロキソプロフェン、イブプロフェン等のスイッチOTC)
- 胃腸薬(H2ブロッカー含有薬・ファモチジン系など)
- 抗アレルギー薬(フェキソフェナジン、エピナスチン等)
- 湿布・外用消炎鎮痛薬(フェルビナク・ロキソプロフェン外用)
- 水虫薬(テルビナフィン、ブテナフィン等)
詳細リストは厚生労働省「セルフメディケーション税制対象医薬品品目一覧」で随時更新されます。買う前にパッケージのマークかレシートを確認してください。
セルメの適用要件「健康のための取組」
次のいずれかをその年に受けていることが必要です(領収書や結果通知を保管)。
- 勤務先での定期健康診断
- 市区町村の住民健診
- 特定健康診査(メタボ健診)または特定保健指導
- 人間ドック・各種がん検診(自治体・職場で行われたもの)
- 予防接種(インフルエンザ、コロナ、肺炎球菌、定期予防接種など)
ドラッグストアで市販薬を買うだけでなく、この「取組」の証明書(健診結果通知や予防接種の領収書)を1つ用意しておきます。
どちらを選ぶか判定フロー
- 家族合計の年間医療費(通院費・処方薬込み)を集計する。
- 10万円(総所得200万円未満なら総所得×5%)を超えるか? → 超えるなら通常の医療費控除が原則有利。
- 超えない場合、対象OTC医薬品の年間購入額が1.2万円を超えるか? → 超えるならセルメで控除を受けられる。
- 健康診断・予防接種など「取組」を受けているか? → 受けていないとセルメは使えない。
- 両方とも当てはまる場合、控除額を試算して大きい方を選ぶ。
どちらの控除額が大きいか試算する
通常の医療費控除はツールで還付額の目安が出せます。OTC購入額がメインの方はセルメ控除額=OTC購入額−1.2万円(上限8.8万円)で計算。
医療費控除の計算を使う →関連記事
参考情報源
- 国税庁 タックスアンサー No.1131「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」
- 国税庁 タックスアンサー No.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」
- 厚生労働省「セルフメディケーション税制対象医薬品品目一覧」