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発注書・請負契約書の印紙税段階別と電子発注の非課税運用

国税庁No.7140の段階別印紙税額表と、電子発注で印紙税を回避するロジック、電子帳簿保存法対応を両立する電子化フローを実務目線で整理します。

印紙税の基本ルール

印紙税は、印紙税法で定める20種類の文書(課税文書)を作成したときに課税される国税。文書の作成者が、税額分の収入印紙を購入して文書に貼り、消印(割印)することで納税します。

発注書・注文書が印紙税の対象になるか

結論:単独の発注書・注文書は原則、印紙税の対象外。ただし、以下の3パターンでは課税文書になりえます。

パターン1:発注書+注文請書=請負契約書(第2号文書)

発注書と注文請書をセットで取り交わし、両者の合意で契約が成立する形式の場合、これは「請負契約書」(印紙税法第2号文書)として課税。

ただし、「申込み(発注書)→ 承諾(注文請書)」が時系列で別書類なら、注文請書だけが課税文書、発注書は非課税というケースが多い(個別判定)。

パターン2:発注書に「契約書」の性質を持たせた場合

発注書に以下の文言を入れると、それ自体が「請負契約書」とみなされる可能性:

このような文言があると、発注書単体でも第2号文書扱いとなり、印紙税が課税されます。

パターン3:継続的取引の基本契約書(第7号文書)

複数回の取引を予定した基本契約書(取引基本契約書・継続的供給契約書)は、契約期間や個別取引の額に関係なく一律4000円の印紙税(第7号文書)。3か月以内かつ更新の定めがないものは除外。

第2号文書「請負契約書」の段階別印紙税額

国税庁No.7140によれば、請負契約書の印紙税額は契約金額の段階別に次のとおり。

契約金額本則税率軽減税率(建設業)
1万円未満非課税非課税
1万円以上〜100万円以下200円200円
100万円超〜200万円以下400円200円
200万円超〜300万円以下1000円500円
300万円超〜500万円以下2000円1000円
500万円超〜1000万円以下10000円5000円
1000万円超〜5000万円以下20000円10000円
5000万円超〜1億円以下60000円30000円
1億円超〜5億円以下100000円60000円
5億円超〜10億円以下200000円160000円
10億円超〜50億円以下400000円320000円
50億円超600000円480000円
契約金額の記載なし200円200円

建設工事の請負契約書(建設業法第2条第1項に定める工事)は、租税特別措置法による軽減税率が適用されます(令和9年3月31日まで延長)。建設業以外の請負(業務委託・修理委託など)は本則税率です。

電子発注なら印紙税は非課税

印紙税法は「課税文書を作成したとき」に課税するため、紙の書面を物理的に作成しない電子発注(PDF・メール・電子契約サービス)は原則として印紙税の対象外。

請負金額が大きい契約(5000万円超で2万円〜、5億円超で20万円〜)では、電子化による印紙税回避効果が非常に大きい。1件あたり数万円〜数十万円のコスト削減になります。

電子発注フローの実務例

STEP 1:発注書の作成

発注先・商品・数量・単価・納期・納品場所・支払条件・発注者を入力し、PDFで保存。本ツールの発注書作成機能を使えば、A4縦のPDFをワンクリックで作成可能。

STEP 2:発注先への送付

PDF発注書をメール添付で送付。件名は「【発注書】◯月◯日付 株式会社◯◯様」のように、検索性を意識した形式に。本文には発注書PDFのファイル名・発注金額・支払期日を明記。

STEP 3:注文請書の受領

発注先から注文請書(PDF)を受領。電子データで受領した場合は、電帳法の電子取引データ保存対象となり、3要件(真実性・可視性・検索機能)を満たして保存。

STEP 4:電帳法対応の保存

発注書(自社控え)・注文請書を、電帳法の3要件を満たして保存。

電子化のコスト試算

年間発注件数別の印紙税削減効果(請負契約として課税される場合):

年間件数平均契約金額1件あたり印紙税年間削減額
50件200万円400円20000円
50件500万円2000円100000円
20件5000万円20000円400000円
10件1億円60000円600000円
5件5億円100000円500000円

中堅企業以上では年間数十万円〜数百万円の削減になります。電子契約サービスの導入コスト(月額数千円〜数万円)を考慮しても、十分にペイする計算。

電子発注のメリット・デメリット

メリット

デメリット・注意点

印紙税の納付漏れと修正方法

紙の発注書に印紙の貼付漏れがあった場合の処理:

納付漏れに気づいたら、所轄税務署に「印紙税不納付事実申出書」を提出して自主申告するのが最も安く済みます。

関連ツール

発注書・注文書の作成・印刷で電子発注用のPDF発注書を作成し、印紙税の判定で紙文書の印紙額を確認できます。