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学資保険の返戻率はなぜ下がった?標準利率0.25%時代の現実

「親世代は120%返ってきたのに、自分は105%って本当?」——返戻率低下の構造と、代わりに見直すべき価値を解説。

1. 30年前は120%・今は105%——返戻率はこう変わった

「親が入っていた学資保険は120%戻ってきた」と聞いて、いざ自分が子供の学資保険を検討してみると、どれも105〜108%程度。 「学資保険ってもっとお得じゃなかったの?」——多くの新米親が直面する第一の疑問です。

結論から言うと、2000年以前と比較して学資保険の返戻率は確実に下がっています。 1990年代のバブル期前後は、予定利率5.5〜6.0%で運用されていたため、20年積み立てれば返戻率150%超も普通でした。 2000年代に入って予定利率は1.5〜2.5%に低下し、返戻率は110〜120%程度に。 そして2020年代に入って、主要商品の標準的な返戻率は105〜108%が高返戻率トップ層という時代になりました。

つまり「30年前の120%」と「現在の105%」は、商品の質が下がったのではなく、金融市場全体の運用環境が大きく変化した結果です。 学資保険は契約期間中の予定利率を固定する商品なので、契約時の市場金利が直接返戻率を決めます。

2. 標準利率0.25%——金融庁が決める「予定利率の上限」

返戻率低下の主犯は「標準利率」です。 標準利率とは、金融庁が生命保険会社に対して「これ以上の予定利率を使った商品設計はしないでね」と定める基準値で、 1996年に導入されました。 各社はこの標準利率を基準に、自社商品の予定利率(≒返戻率)を決めます。

標準利率は10年国債金利を基に算定される仕組みで、長期金利の低下を直接反映してきました。 1996年導入時は2.75%、2001年に1.5%、2013年に1.0%、2017年に0.25%、そして2020年に再度0.25%(現行)と、 段階的に引き下げられています。 要は「日銀のマイナス金利政策で長期金利が地を這うと、学資保険の返戻率も地を這う」という直接連動関係。 学資保険会社が頑張っているかどうかとは無関係に、構造的に高返戻率が出せない時代に突入しています。

ソニー生命・明治安田・フコクなど業界トップ層が105〜108%を維持しているのは、運用力+経費効率の差でやっと拾えている数%。 それでも「30年運用して8%」というのは、預金(年0.025%×30年で約0.75%)より遥かにマシで、定期的に積み立てる強制力もある—— そう冷静に評価すべき水準です。

3. 「契約者保険料免除特約」こそが学資保険の本質価値

ここまでの話で「学資保険、もう要らないんじゃ?」と思った方——もう少しお付き合いください。 返戻率105%の数%は確かに減りましたが、学資保険には「数字に現れない価値」が一つあります。 それが「契約者保険料免除特約」(払込免除特約)です。

これは「契約者(多くは父親)が万一死亡・所定の高度障害になった場合、以後の保険料の支払いが免除され、満期金は契約通り満額受け取れる」仕組み。 つまり「父親が30歳で亡くなっても、子供は18歳の大学入学時に200万円きっちり受け取れる」という保障です。 多くの商品では自動付帯されており、別料金は不要(一部商品は特約として別料金)。

これと同じことをつみたてNISA・銀行積立でやろうとすると、別途「死亡保障付き定期保険」を契約する必要があります。 年齢にもよりますが、30〜40代の男性で死亡保障300万円・保険期間18年だと月3,000〜5,000円。 18年間で65万〜108万円の保険料を別途払うことになります。 これを「学資保険返戻率の数%減」と比較すると、トータルでは学資保険に分があるケースも少なくありません。

数字に見えない保障価値を「いくらの価値があるか」で計算すると、学資保険の本当のコスパが見えてきます。

4. 返戻率を最大化する5つの選択

現代の低返戻率時代でも、商品選びと契約条件次第で「105%→108%」と数%は伸ばせます。 以下の5つを意識しましょう。

  1. 契約は0歳〜2歳の早期に:子の年齢が若いほど運用期間が長く、返戻率が上昇。妊娠中加入も可能。
  2. 契約者は女性が有利:保険会社の死亡率テーブルで女性の方が長命なので予定利率が高い。ただし家計の主稼ぎ手が男性なら、男性契約の方が「払込免除特約」の発動価値が大きい——両方計算してください。
  3. 払込期間は短くする:5年払 > 10年払 > 15年払 > 18年払。家計が許せば10年払推奨。月15,000〜20,000円目安。
  4. 受取は遅らせる:18歳一括 < 22歳満期一括。学資準備は18歳時に必要ですが、別途家計+児童手当積立で大学入学資金を確保できるなら、22歳満期で返戻率最大化も選択肢。
  5. 特約は最小限:医療特約・育英年金特約は付けない。これらを付けると返戻率は93〜100%に低下。医療・死亡保障は別の単体保険で備える「機能別契約」が透明・お得。

この5つを揃えると、ソニー生命学資保険III型で返戻率108%を超える契約が可能。 標準条件105%との差「3%」が、月払額・受取金額にして約7万円の差になります。

5. 「返戻率+保険料免除」総合価値で他の選択肢と比較

結局のところ、学資保険・つみたてNISA・銀行定期のどれが優れているかは、家庭の状況によって変わります。 重要なのは「数字に見える返戻率」と「数字に見えない保障価値」の両方を見ること。

具体的な10社の返戻率比較は学資保険比較ツールで。 払込免除特約の詳しい仕組みは払込免除特約の真価を、 新NISAとの組合せ戦略は学資保険と新NISAの組合せ戦略でご確認ください。

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