CKDの食事療法:減塩・たんぱく・カリウムの実践ガイド
慢性腎臓病と診断されたとき、最初の介入は食事です。 ステージ別の基準と、外食・コンビニでも続けられる工夫を整理します。
食事療法の3本柱
日本腎臓学会「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014」では、 CKD患者に対し①減塩、②たんぱく制限、③カリウム制限の3つを軸にしています。 ステージが進むほど制限は厳しくなりますが、G1〜G2段階では「減塩」だけで十分なことも多い。
① 減塩(全ステージ共通)
すべてのCKD患者で1日6g未満が目標。健康な成人の目標(男性7.5g・女性6.5g)より厳しい設定。 塩分は血圧を上げ、腎臓への負担を増やすため、ステージに関わらず最優先で取り組む。
- ラーメン1杯=塩分6〜8g(汁を残せば3〜4gに)
- 梅干し1個=塩分2g、漬物小皿=1〜2g
- 味噌汁を1日1杯まで、または減塩味噌に変更
- しょうゆは「かけしょうゆ」から「つけしょうゆ」へ
- だしを濃く取り、塩・しょうゆの量を減らす
- 加工食品(ハム・かまぼこ・パン)の隠れ塩分に注意
② たんぱく制限(G3a〜)
G3a以降、たんぱく質を0.6〜0.8g/kg/日に制限。 体重60kgなら36〜48g/日、つまり肉なら150〜200g、魚なら150〜200g相当が上限。 ご飯・パン・麺類にもたんぱく質が含まれるため、副菜の調整だけでは足りません。
- 主食を「低たんぱく米」「でんぷん米」に切り替えると主菜の余裕が増える
- 朝食パン→低たんぱくパン、麺→でんぷん麺
- たんぱく質を減らした分のカロリーは脂質・糖質で補う
- 体重減少が起きたらすぐ医師・管理栄養士へ相談
- 低たんぱく食はネット通販やドラッグストアで入手可能
③ カリウム制限(G3b〜)
G3b以降、血清カリウムが上がりやすくなるため1日2,000mg未満に制限。 カリウムは果物・生野菜・芋類・豆類・海藻に多く含まれます。
- 野菜は茹でこぼしでカリウムを2〜3割減らせる
- 生野菜サラダは小皿1皿まで、ドレッシングは減塩タイプ
- バナナ・メロン・キウイは1日1/2個まで
- 芋類(じゃがいも・さつまいも)は水にさらしてから調理
- 豆腐は1/4丁を超えない目安
- 青汁・健康ジュースは思いがけずカリウムが多い
④ リン制限(G4〜)
G4以降は血清リンも上がり、骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)の原因に。 リンは乳製品・加工食品・コーラ・ナッツに多く、有機リンより無機リン(食品添加物)の吸収が高い。
- 「リン酸塩」「リン酸ナトリウム」表示の加工食品を避ける
- ハム・ベーコン・ソーセージは無リン製品を選ぶ
- 牛乳・チーズ・ヨーグルトは1食50g以下
- コーラ・栄養ドリンクはリン添加物の宝庫
外食・コンビニで続けるコツ
- 定食より単品ものを選び、汁・漬物・味噌汁を残す
- うどん・そばより冷やしぶっかけで汁を減らす
- おにぎりは塩むすび・梅より「鮭」「ツナマヨ」など中身のあるタイプ
- コンビニサラダはドレッシングを別添けで半分使い
- 外食先で塩・しょうゆをかけ足ししない習慣を作る
慣れるまでの工夫
急に塩分を半減すると味気なく感じ、長続きしません。 まずは1ヶ月かけて段階的に減らし、味覚を慣らすのがコツ。 薄味でも美味しく感じるためには、だし・酸味(酢・レモン)・香辛料(こしょう・しょうが・にんにく)・香味野菜(しそ・みょうが)を活用。