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日本号の歴史とJIS S 5037 — なぜ1号は内周40.84mmなのか

指輪を選ぶ際に出てくる『13号』『18号』という数字。背景には明治期からのサイズ規格の試行錯誤と、現代のJIS S 5037による国際規格との橋渡しがあります。

JIS S 5037が定める公式

日本産業規格JIS S 5037『指輪のサイズ』は次のように定めています:

  • 1号=内径13.00mm(内周40.84mm)
  • +1号=内径+1/3mm(内周+1.05mm)
  • 有効範囲:1〜30号(一般流通は1〜27号)

つまり、号数 N に対する内径 D(mm)は次の式で求まります:

D = 13.00 + (N − 1) × 1/3
D = 13.00 + (N − 1) ÷ 3

例:10号 → D = 13 + 9÷3 = 13 + 3 = 16.00mm
13号 → D = 13 + 12÷3 = 13 + 4 = 17.00mm(内周53.4mm)
20号 → D = 13 + 19÷3 ≒ 13 + 6.33 = 19.33mm

明治〜現代の日本サイズ規格史

日本の指輪サイズは、明治期に欧米から指輪文化が入ってきた当時、各宝飾店が独自の刻み(『松屋号』『三越号』など)を使っており、店をまたぐと互換性がない状態でした。1942年(昭和17年)に日本ジュエリー工業会の前身が業界統一規格として『日本号』を制定し、戦後の1960年代にJIS規格に組み込まれました。

1/3mm刻みという独特の値は、当時の貴金属加工技術の精度(0.3mm単位)と、人間の指の太さの分布(半号未満は感覚的に差が分かりにくい)の折衷点として採用されました。1号刻み=内周約1.05mmは、サイズゲージで隣り合うサイズを試着した時に『はっきり区別が付く最小の差』に近い値です。

ISO 8653との比較 — なぜ規格が違うのか

国際規格ISO 8653:2016『Jewellery — Ring sizes — Definition, measurement and designation』は、サイズ番号=指輪の内周mmと定めています(例:内周52mm=サイズ52)。EUとドイツ・スイスはこのISO方式を直接採用しているため、ヨーロッパでは『EU 52』のような表示が業界標準です。

日本がISO方式を直接採用しなかった理由は、長年使われてきた『○号』という慣習が消費者に深く浸透しており、突然『53』のような3桁数字に切り替えると混乱が大きいためです。代わりにJISでは『内周mmと号の対応表』を併記する形で国際互換性を担保しています。

主要国の方式:

国・地域基準表記例
日本独自(JIS S 5037)1〜30号
EU・独・スイスISO 8653(内周mm)44〜68
米国独自(内径基準)1.5〜13.5
英国・豪・愛独自(アルファベット)A〜Z+ハーフ
独自(内径mm)15.0〜22.0
中・印独自・地域差大省略

デザイナーが知っておきたい刻みの実装

指輪を3D-CADで設計する際、JIS方式に従うなら基準値13.00mm(1号)と+1/3mm刻みを正確に表現する必要があります。多くのCADソフトでは『13.000』『13.333』『13.667』『14.000』のように小数点3桁で打ち込みます。±0.05mmまでの加工誤差が現代の機械加工で許容されており、これが『同じ号でもブランドによって±0.5号差』の主因です。

参考一次情報

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