重ね掛けセールの正しい計算|「さらに◯%オフ」が40%にならない理由
「店内全品30%オフ、レジにてさらに10%オフ」。一見40%オフのように見えますが、実際は37%オフです。なぜそうなるのか、シーン別の最終価格と一緒に解説します。
基本の計算式:割引は掛け算で重なる
重ね掛けセールは「割引率を足し算する」のではなく「残った割合を掛け算する」のが正しい式です。元の値段を P、最初の割引率を r1(%)、追加の割引率を r2(%)とすると、最終価格は次のとおり。
最終価格 = P ×(1 − r1÷100)×(1 − r2÷100)30%オフのさらに10%オフの場合:1 × 0.7 × 0.9 = 0.63、つまり37%オフです。40%オフ(0.60)にはなりません。差は3ポイントですが、1万円商品で300円、10万円商品で3000円の差です。
① ECサイト:クーポン併用の最終価格
EC(楽天・Yahoo!ショッピング・Amazonなど)では「タイムセール20%オフ+クーポン10%オフ」の重ね掛けがよく起きます。元値1万円なら:
- タイムセール20%オフ後:10000 × 0.8 = 8000円
- さらに10%オフクーポン適用後:8000 × 0.9 = 7200円(実質28%オフ)
- 30%オフではない点に注意。差額は200円。
これに「ポイント10%還元」が加わると更にややこしくなります。ポイントは支払い時の実額を減らさないので、実質割引率としては 7200 × 10 ÷ 11000 ≒ 6.5% にとどまり、合計でも約33%オフ相当です。ポイントが消費されるまでは「未確定の値引き」と考えるのが安全です。
② 百貨店:会員カード割+セール価格
百貨店の「セール価格表示」+「会員カード5%オフ」のような重ね掛けも、計算は同じです。たとえば定価2万円、セールで30%オフ表示、会員カードでさらに5%オフだと:
- セール価格:20000 × 0.7 = 14000円
- 会員5%オフ後:14000 × 0.95 = 13300円
- 合計:33.5%オフ(35%オフではない)
なお、化粧品・宝飾品・新刊書籍など「割引対象外」品目がある百貨店が多いので、会計前にカウンターで確認するのがおすすめです。
③ スーパー:閉店間際の見切りシール重ね掛け
閉店間際のスーパーで見かける「30%引きシール」の上に「さらに半額シール」が貼られているパターンも、重ね掛けの一種です。元値500円なら 500 × 0.7 × 0.5 = 175円(65%オフ)です。
ただし、店舗によっては「定価から半額」と「30%引きシールを無視して半額」になる場合があります。会計時に金額を見て、想定より高ければレジで確認できます。
④ 税抜にかけるか、税込にかけるかで結果が変わる
割引を税抜価格にかけてから消費税を上乗せするか、税込価格にそのまま割引をかけるかでも、最終的な数字は変わります。1万円(税抜)の20%オフを例にすると:
- パターンA(税抜に割引→消費税):10000 × 0.8 × 1.10 = 8800円
- パターンB(税込に割引):10000 × 1.10 × 0.8 = 8800円(同じ)
実は単一商品なら順序を入れ替えても結果は同じです。ただし、軽減税率8%(食料品)と標準税率10%(雑貨)が混在するレジでは、割引を税抜にかけてから税率別に消費税を計算するため、数円のずれが起きやすくなります。
⑤ 暗算のコツ:割引率「足し算したい」誘惑への対策
重ね掛けを暗算する時は「足し算」ではなく「順番に掛ける」が正解。とはいえ売り場で電卓を出すのは面倒なので、以下の早見メモが便利です。
- 30%+10% → 37%オフ(差 3pt)
- 30%+20% → 44%オフ(差 6pt)
- 40%+10% → 46%オフ(差 4pt)
- 50%+20% → 60%オフ(差 10pt)
- 50%+50% → 75%オフ(差 25pt)
ざっくり「合計から数ポイント引く」と覚えておくと、買い物中の概算には十分使えます。正確な金額は 割引計算ツール の「重ね掛け」タブで確認してください。