時候の挨拶12ヶ月別文例|拝啓〜敬具・業界別書き分け
漢語調・口語調・業界別の文例集(2026年6月時点)
送付状の冒頭は「拝啓 ◯◯の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」の形が標準です。◯◯の部分が時候の挨拶。月によって決まり文句があり、漢語調と口語調を使い分けます。本記事では1月〜12月の文例と、業界別の言い回しを整理します。
1. 送付状冒頭の基本構造
頭語 + 時候の挨拶 + 安否の挨拶 + 御礼の挨拶 で構成します。
- 頭語:「拝啓」(標準)/「謹啓」(より丁寧)/「前略」(時候の挨拶を省略)
- 時候の挨拶:「◯◯の候」「◯◯のみぎり」
- 安否の挨拶:「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」
- 御礼の挨拶:「平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます」
- 結語:拝啓→敬具/謹啓→謹言・敬白/前略→草々
2. 月別文例(漢語調・口語調)
1月
漢語調:厳寒の候/新春の候/初春の候/大寒の候
口語調:寒さ厳しい折/新年を迎え/松の内も明けまして
2月
漢語調:晩冬の候/余寒の候/立春の候/春寒の候
口語調:立春とは名ばかりの/余寒なお厳しい折/春の気配を感じる頃
3月
漢語調:早春の候/春暖の候/春分の候/浅春の候
口語調:日増しに春めいて/桜のつぼみもふくらむ頃/一雨ごとに春めく
4月
漢語調:陽春の候/桜花の候/春爛漫の候/春陽の候
口語調:桜花爛漫の季節/うららかな春日和/新年度を迎え
5月
漢語調:新緑の候/薫風の候/立夏の候/青葉の候
口語調:風薫る5月/新緑の美しい季節/青葉若葉の候
6月
漢語調:初夏の候/梅雨の候/向暑の候/長雨の候
口語調:梅雨入りの頃/うっとうしい梅雨の季節/日ごとに暑さを増す
7月
漢語調:盛夏の候/猛暑の候/酷暑の候/大暑の候
口語調:暑さ厳しい折/猛暑が続いておりますが/梅雨明けの暑さ
8月
漢語調:晩夏の候/残暑の候/立秋の候/処暑の候
口語調:残暑なお厳しき折/立秋とは名ばかりの/夏の疲れの出る頃
9月
漢語調:初秋の候/新涼の候/秋涼の候/白露の候
口語調:朝夕涼しさを覚える頃/秋風の心地よい季節/秋の気配漂う
10月
漢語調:仲秋の候/紅葉の候/秋冷の候/清秋の候
口語調:秋たけなわの候/紅葉の美しい季節/秋晴れの心地よい頃
11月
漢語調:晩秋の候/向寒の候/立冬の候/霜降の候
口語調:朝晩冷え込む頃/吐く息も白くなる頃/落ち葉舞う季節
12月
漢語調:師走の候/歳末の候/初冬の候/寒冷の候
口語調:師走に入り/本年も残すところわずか/年の瀬を迎え
3. 業界別の書き分け
製造業・商社(BtoB)
「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。」(標準形)
建設業・工事関連
「貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素は弊社事業に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」
士業(弁護士・税理士・社労士)
「貴職におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」(個人宛は「ご清祥」、法人宛は「ご清栄」)
行政・自治体
「貴庁ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は本市行政にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。」
教育機関
「貴校ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」「貴学園におかれましてはますますご発展のこととお慶び申し上げます。」
4. 「ご清栄」「ご隆盛」「ご発展」のニュアンス
- ご清栄:法人・個人どちらも可。最も汎用
- ご清祥:個人宛(健康・幸福)。法人には使わない
- ご隆盛:法人宛。事業の繁栄を強調
- ご発展:法人・団体宛。成長・拡大のニュアンス
- ご繁栄:商業色が強い
5. よくある間違い
- 「貴社/御社」の混在:書面は「貴社」、口頭は「御社」
- 「拝啓」と「謹啓」の混在:頭語が「謹啓」なら結語は「謹言」「敬白」
- 「前略」と時候の挨拶の併用:「前略」は時候の挨拶を省略する宣言
- 「ご清祥」を法人宛に使う:法人には「ご清栄」
- 季節外れの時候の挨拶:8月に「盛夏の候」はOKでも、8月下旬は「残暑の候」