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サブ4達成までの30週間プログラム

フルマラソンを4時間以内で走る「サブ4」は、1kmあたり5分41秒のペースを42.195km維持する必要があります。ゼロから30週間で身につける段階別練習を解説します。

サブ4に必要な走力

4時間 = 240分 = 14400秒。これを42.195kmで割ると、1kmあたり341秒(5分41秒)のペースが必要です。時速にすると約10.6km/h。これは「会話できるかできないか」のギリギリ、いわゆるマラソンペース(Mペース)と呼ばれる強度です。

ただしレース当日の給水・混雑・トイレで2〜3分のロスが出るため、実際には5'35"/kmで巡航できる力を目標にします。日本陸連の公認コース計測規程では、コース短小防止ファクターとして0.1%が加算されるため、GPS時計の表示距離より実距離はわずかに長くなる前提が必要です。

30週プログラムの全体像

期間を3つのフェーズに分けます。

  • 第1期(1〜10週)基礎構築:ジョグ中心で週20〜30km、心肺と関節を慣らす
  • 第2期(11〜20週)走力強化:ペース走・閾値走を入れ、週30〜50km
  • 第3期(21〜30週)レース仕様:30km走を入れ、週50〜70kmで本番想定

最後の2週間はテーパリング(調整期)として走行距離を半分以下まで落とし、疲労を抜きます。これを守るかどうかで、当日の脚の動きが大きく変わります。

第1期(1〜10週):基礎構築

目的:ケガなく走り続けられる体を作る。ペースは気にしない。

  • ・週3〜4回、1回30分〜60分のジョグ
  • ・ペースは6'30"〜7'00"/kmでOK(会話できる強度)
  • ・週末に1回、60〜90分のロングジョグ(10〜15km)
  • ・筋トレ:スクワット・プランク・ふくらはぎ強化を週2回
  • ・10週終わりまでに週25〜30km、月100km走破を目標

この時期にスピード練習を入れるとほぼ確実に故障します。スネ・膝・足底に違和感が出たら3〜4日休む判断が大事です。

第2期(11〜20週):走力強化

目的:5'41"/kmで5〜10km走り切れる力を作る。

  • ペース走(週1回):5'30"〜5'45"/kmで5〜8km
  • ロング走(週末):6'30"/kmで15〜20km
  • ジョグ(週2回):6'30"/kmで30〜45分
  • 休息日:週2日完全休養
  • ・週40〜50kmペース、月160〜180km

ペース走では「Mペースを体に覚えさせる」のが目的です。最初の1kmが5'41"/kmで来たら、その感覚を全身で記憶する作業を毎週繰り返します。

第3期(21〜30週):レース仕様

目的:30km地点での失速を防ぐ脚と心肺を作る。

  • 30km走(月1回):6'00"〜6'30"/kmで30km完走
  • ペース走(週1回):5'35"〜5'41"/kmで10〜15km
  • ロング走(週末・30km走なし週):6'30"/kmで20〜25km
  • ジョグ(週2回):6'30"/kmで45〜60分
  • ・週60〜70km、月220〜250km

30km走は本番想定の最重要練習です。脚が止まる感覚、補給の必要性、心拍の張り付き具合をすべて経験しておきます。30kmを通せれば、本番の残り12kmは気力で押し切れる確率が高くなります。

テーパリング(残り2週間)

最後の2週間は走行距離を半分〜1/3に落とすのが鉄則です。脚は前週までの練習で十分。あとは疲労を抜くだけ。

  • 残り14日:週末のロングはハーフ程度(21km)にとどめる
  • 残り7日:走行距離20〜25km、強度は維持
  • 残り3日:5kmジョグ+流し3本のみ
  • 前日:完全休養または15分の軽いジョグ

食事は3日前から炭水化物を増やすカーボローディングを実施。前日の夜は消化が良いものを早めに食べて22時には就寝します。

月間走行距離の目安

  • 1〜2か月目:月60〜100km
  • 3〜5か月目:月120〜180km
  • 6〜7か月目:月200〜250km
  • レース月:月100〜150km(テーパリング込み)

サブ4達成者の多くは累計月200km前後で本番を迎えます。これより少なくても達成例はありますが、それ未満だと完走自体が不安定になります。

レース当日のペース戦略

目標はイーブンペースまたはネガティブスプリット(後半の方が速い)。

  • 0〜10km:5'42"〜5'45"/km(少し遅めスタート)
  • 10〜30km:5'38"〜5'41"/km(巡航ペース)
  • 30〜42km:5'35"〜5'45"/km(粘り)
  • 給水:5kmごとに必ず取る。ジェルは8km・18km・28km・35km

最大のミスは「最初の5kmを5'30"/kmで突っ込む」こと。これだけで30km以降に大幅失速します。腕時計のラップアラートで5'45"/kmを上限の目安にすると安全です。

ケガ予防のポイント

  • シューズ:500〜700kmで交換、サブ4向けの厚底クッション系を選ぶ
  • 週走行距離の増やし方:前週比10%以内
  • 違和感は3日続いたら整形外科へ:シンスプリント・腸脛靭帯炎は早期対処が鍵
  • 週2回の筋トレ:ふくらはぎ・お尻・体幹を厚労省ガイド2023の通り強化

途中で挫折しないための工夫

  • 練習日程を毎週日曜にカレンダー化:迷う余地をなくす
  • SNSや専用アプリで記録:可視化はモチベーション維持に直結
  • 月1回の5km・10kmレース参加:本番感覚と現状把握
  • 30週の中で1〜2週はオフ週:完璧主義は故障の原因

使ってみる

→ ランニングペース計算ツールで5'41"/kmの通過タイムを確認

出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」/日本陸上競技連盟「ロードレース距離計測基準」/厚生労働省「身体活動のメッツ表(e-ヘルスネット)」。