基本ルール
「5'41"/km」は「1kmを5分41秒で走るペース」という意味です。読み方は「ごふん よんじゅういちびょう ぱー きろめーとる」または略して「ごー よんいち」「ファイブ ヨンイチ」。
- ・「'」(プライム)=分
- ・「"」(ダブルプライム)=秒
- ・「/km」=1kmあたり
数字が小さいほど速いペースです。「6'30"/km」より「5'41"/km」の方が速い、というのが直感に反する初心者がつまずく1点目です。
時速km/hへの換算
時速 = 3600 ÷ ペース秒。ペースが秒で何秒かを計算してから割ります。
- ・5'41"/km = 341秒 → 3600 ÷ 341 = 10.56km/h
- ・4'58"/km = 298秒 → 3600 ÷ 298 = 12.08km/h
- ・4'15"/km = 255秒 → 3600 ÷ 255 = 14.12km/h
- ・6'00"/km = 360秒 → 3600 ÷ 360 = 10.00km/h
- ・7'00"/km = 420秒 → 3600 ÷ 420 = 8.57km/h
主要目標タイムと必要ペース
フルマラソンの代表的な目標タイムと、必要ペースの対応表。
- ・サブ4(4時間切り):5'41"/km(10.6km/h)
- ・サブ3.5(3時間30分切り):4'58"/km(12.1km/h)
- ・サブ3(3時間切り):4'15"/km(14.1km/h)
- ・完走(5時間切り):7'06"/km(8.5km/h)
- ・初心者完走(5時間半):7'49"/km(7.7km/h)
日本国内市民ランナーの目標としてもっとも一般的なのがサブ4です。サブ4達成率は大会・年齢層で異なりますが、男性30代でおよそ20〜30%とされます。
5km・10km・ハーフのペース対応
フル以外の距離の目標タイム→必要ペース。
- ・5km 25分:5'00"/km(12.0km/h)
- ・5km 20分:4'00"/km(15.0km/h)
- ・10km 50分:5'00"/km(12.0km/h)
- ・10km 45分:4'30"/km(13.3km/h)
- ・ハーフ 2時間:5'41"/km(10.6km/h)
- ・ハーフ 1時間40分:4'44"/km(12.7km/h)
- ・ハーフ 1時間30分:4'16"/km(14.1km/h)
ハーフ2時間とフルサブ4は同じ5'41"/kmです。「ハーフ2時間を切れたらサブ4も射程」と言われるのはこの符合が理由です。
トレッドミルの時速設定との対応
ジムのトレッドミルは時速km/h表示が主流で、ペース秒/km表示は少数派です。表で対応を覚えておくと便利です。
- ・時速8.0km/h=7'30"/km(ジョギング・ペース走入門)
- ・時速9.0km/h=6'40"/km(フル5時間ペース)
- ・時速10.0km/h=6'00"/km(サブ4.5ペース)
- ・時速10.6km/h=5'41"/km(サブ4ペース)
- ・時速12.0km/h=5'00"/km(サブ3.5ペース)
- ・時速14.0km/h=4'17"/km(サブ3ペース)
屋外と室内の体感差
同じ時速10.6km/hでも、トレッドミルと屋外では負荷感覚が違います。トレッドミルは
- ・風の抵抗がない(屋外より1〜2%楽)
- ・路面が動くので脚を前に運ぶ動作が省略される
- ・気温・湿度が一定で発汗・脱水が起きにくい
屋外と同じ負荷にしたい場合は傾斜1%を付けるのが定番です。さらに長時間走では水分補給を5kmごとに(厚労省の身体活動ガイド2023でも運動時の水分摂取が推奨)。
時計表示でよく見る派生表記
- ・「5:41/km」:ガーミン・ポラール系の標準表記(プライム省略型)
- ・「5min41sec/km」:英語圏アプリの長文型
- ・「mile pace」:1マイル(1.609km)あたりのペース。海外大会で使われる
- ・「3:55/mi」:1マイル3分55秒、サブ3レベル
日本国内大会は「分'秒"/km」または「分:秒/km」が標準です。マイル表記は東京マラソンのエリート招待や海外大会で稀に見る程度。
ペース計算でよくある間違い
- ・10進数で計算してしまう:「5.41/km」と書くと5分41秒ではなく5.41分(5分25秒)になる
- ・キロとマイルを混同:海外アプリ初期設定のままだと表示が違う
- ・累積タイムをペースと混同:「5km地点で28分」はラップ平均5'36"/km
- ・GPS時計の距離ズレ:高層ビル街は±5%の誤差が出る
大会前にやるべき確認
- ・目標タイムから1kmペースを書き出す:本ツールで確認
- ・5kmごとの通過タイムを腕に書く:油性ペンや専用テープ
- ・ペースバンドを入手:大会受付や陸連サイトで配布されることが多い
- ・時計のアラート設定:1km自動ラップ+上限ペースアラート
使ってみる
→ ランニングペース計算ツールで目標タイムから1kmペースを確認
出典:日本陸上競技連盟「ロードレース距離計測基準」/厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」/厚生労働省「身体活動のメッツ表(e-ヘルスネット)」。