名刺・チラシ用QRコードの完全ガイド
名刺裏のQR・チラシのQRは、現場で擦れて指紋がつき、折り目に当たり、ロゴを合成され、印刷会社で縮小される。普通に作ると読み取り失敗が頻発します。失敗ゼロにするための実用ガイドです。
vCard 3.0(RFC 2426)の書き方
名刺の連絡先QRは、IETFのRFC 2426で国際標準化された「vCard 3.0」形式が最も汎用的です。iPhone・Androidの全機種で読み取って連絡先アプリへ一発登録できます。書式は以下のとおり。
BEGIN:VCARD
VERSION:3.0
N:山田;太郎;;;
FN:山田 太郎
ORG:株式会社サンプル
TEL;TYPE=CELL:+81-90-1234-5678
EMAIL;TYPE=INTERNET:taro@example.com
ADR;TYPE=WORK:;;東京都千代田区一番町1-1;;;;
URL:https://example.com
END:VCARD- FN(Formatted Name)とN(Name分解)とVERSIONが必須項目。
- Nは「姓;名;ミドル;敬称;後ろ敬称」の順でセミコロン区切り。
- TELの+81は日本の国番号。先頭の0を取って+81に置き換えます。
- ADRは「私書箱;拡張;番地;市;都道府県;郵便番号;国」の順番。
- 各行の末尾改行を忘れずに(CRLF推奨)。
MeCard(日本独自)の書き方
MeCardはNTTドコモがガラケー時代に策定した日本独自の簡易仕様。vCardより文字数が少なく済むのでQRコードを小さく作りたい時に便利です。
MECARD:N:山田 太郎;TEL:09012345678;EMAIL:taro@example.com;URL:https://example.com;;MeCardは1行で書き、各フィールドをセミコロンで区切ります。住所(ADR)も入れられますが、構造化が弱いので、vCardほど整理されません。海外の取引先と名刺交換する機会があるならvCard、国内だけならMeCardで十分です。
印刷サイズの目安:名刺は2cm四方、チラシは3cm四方
QRコードの最小印刷サイズは、コード本体(黒い模様部分)の一辺で考えます。名刺裏は1.5〜2cm四方、A4チラシは2.5〜3cm四方、A3ポスターは5cm以上が目安です。さらに4セル分以上の白い余白(クワイエットゾーン)が必要なので、QRの周りに 0.5cm 程度の余白も確保してください。
手軽屋のQRコード作成ツールは自動的に2セル分のマージンを入れて出力するので、トリミングせずにそのまま貼れば読み取り精度を保てます。
QRの真ん中にロゴを合成したい時:誤り訂正Hを選ぶ
「QRコードの真ん中に会社ロゴを置いてオシャレに見せたい」という相談はとても多い。これは誤り訂正レベルH(約30%復元)を選んで、QRの中心 約20% にロゴを重ねることで実現できます。
手順:
- 誤り訂正Hで1024pxのQRを生成。
- 画像編集ソフト(Photoshop・GIMP・Canva等)でQRを開く。
- QRの中心 約20%(1024pxなら200px四方程度)にロゴを白背景+枠付きで重ねる。
- スマホで実機読み取りテスト。読めなければロゴを少し小さくする。
ロゴ部分はマスクとして「破損」扱いになり、誤り訂正Hの30%復元能力で吸収されます。ロゴ面積が大きすぎると30%を超えて復元失敗するので、必ずスマホで読み取り検証してから印刷会社に入稿してください。
印刷会社入稿:PNG 1024px・解像度300〜350dpi
印刷会社入稿は1024pxのPNGを選んでください。JPEGは色境界に圧縮ノイズが出てQRの読み取り精度を下げるので、必ずPNG(可逆圧縮)です。解像度は300〜350dpi、A4チラシなら原寸2〜3cm四方で十分な余裕があります。
入稿時の注意点は以下のとおりです。
- カラーモードはCMYKではなくRGB(K100%の単色でもOK)。
- QRの色は必ず黒(K100%)、背景は白。色付きQRは読み取り精度が落ちます。
- レイアウトソフトでの拡縮は等倍刻みで(中途半端な縮小はモアレ発生)。
- 入稿前に校正PDFを印刷して実機でテスト読み取り。