生涯非課税限度額1,800万円とは
新NISAでは、1人あたり生涯1,800万円までの非課税投資が可能です。 このうち成長投資枠は1,200万円までという内訳制限がありますが、つみたて投資枠だけで1,800万円フル活用することもできます(金融庁ポータル)。
- 生涯枠:1,800万円
- 成長枠上限:1,200万円(生涯枠の内枠)
- つみたて枠単独:最大1,800万円まで投入可能
- 年間投資枠:合計360万円(つみたて120+成長240)
- 最速到達:5年(360万円×5年=1,800万円)
簿価管理とは
新NISAの生涯枠は「簿価(=購入時の取得価額)」で管理されます。 値上がりして時価が増えても枠を消費しない、値下がりして時価が減っても枠は回復しない、というのが原則。
- 100万円で買った投信が150万円になっても、消費した枠は100万円のまま
- 同じ投信が50万円に下がっても、消費枠は100万円のまま(評価損では枠は戻らない)
- 売却した場合は「売却した銘柄の取得価額(簿価)」が翌年枠として復活
時価ではなく簿価で管理する仕組みのおかげで、長期保有して値上がりした人ほど含み益分が非課税の恩恵を最大化できます。
売却枠の翌年復活ルール
金融庁「NISAのよくある質問」によると、生涯枠1,800万円のうち、保有商品を売却した翌年1月に売却分の簿価が枠として復活します。
| タイミング | 枠の動き |
|---|---|
| 2026年1月:100万円購入 | 残り1,700万円 |
| 2027年6月:150万円で売却(取得価額100万円) | その年は残り1,700万円のまま |
| 2028年1月:100万円分復活 | 残り1,800万円に戻る |
注意点:復活するのは「翌年1月」であり、売却した同じ年に再投資はできません。 また、年間投資枠360万円(つみたて120+成長240)の制限は別途かかるため、 1月に復活してもその年に追加で投入できるのは360万円が上限です。
シミュレーション:30代の住宅資金例
30歳でつみたて枠月10万円積立を開始 → 35歳で1,800万円分の枠を使い切り、評価額が2,400万円に成長。 40歳で住宅頭金として1,800万円分を売却(取得価額ベース)した場合の枠の動き。
| 年齢 | 残り枠 | イベント |
|---|---|---|
| 30歳〜34歳 | 1,800→0万円 | 毎年360万円積立で5年で枠フル使用 |
| 40歳:売却 | 0万円(年内) | 2,400万円受領 → 翌年に簿価1,800万円分が復活 |
| 41歳 | 1,800万円 | 頭金支払い後、改めて積立再開可能 |
| 41〜45歳 | 1,800→0万円 | 5年で再度フル枠投入(合計2サイクル) |
売却して非課税で受け取った含み益600万円(2,400万-1,800万円)はそのまま手元に残り、翌年から枠が完全に戻るのが新NISAの大きな特徴です。
簿価管理の落とし穴
仕組みはシンプルですが、誤解しやすいポイントが3つあります。
- 値下がり中の売却は枠の使い損:100万円で買って60万円で売っても、復活するのは簿価100万円分。手元には60万円しか戻らないため実質40万円の損。
- 翌年復活は1月から:12月に売却しても翌年1月まで枠は戻らない。年内追加投資の予定がある場合はタイミング注意。
- 年間360万円の壁:枠が1,800万円分復活しても、その年に投入できるのは360万円が上限。3年目以降にゆっくり再投入。
旧つみたて/一般NISAとの関係
2023年までに旧つみたてNISA(年40万円・20年)・旧一般NISA(年120万円・5年)で投資した資産は、新NISAの1,800万円枠とは「外枠」で管理されます。 旧制度の非課税期間(20年/5年)満了後は、特定口座等に払い出されるか、課税口座へ移管されます(金融庁)。 新NISAの枠とは独立して動くので、旧NISA保有者は併用しながら新NISA枠をフル活用するのが基本戦略。
枠を効率的に使うコツ
- 原則は「売らずに保有」。簿価管理の恩恵は長期保有で最大化される
- 使うなら出口戦略:住宅・教育・老後の3大ライフイベントに合わせて部分売却を計画
- クレジットカード積立を活用してポイント還元0.5〜1.0%を上乗せ
- 夫婦で各自1,800万円ずつ → 世帯3,600万円の生涯枠
関連ツール
新NISAシミュレーターで、生涯枠1,800万円までの到達年数や、利回り3/5/7%別の将来資産額を計算できます。 売却シナリオを試算しながら、自分のライフプランに合った枠の使い方を考えてみてください。