3つの用語を分けて覚える
| 用語 | 意味 | 典型例 |
|---|---|---|
| 取引日 | 実際にモノ・サービスを納めた日(売上計上日) | 6月15日に納品 |
| 締め日 | 取引を集計して請求書を起票する区切りの日 | 月末締め・20日締め・15日締め |
| 支払いサイト | 締め日から支払日までの日数(猶予期間) | 翌月末(30日サイト)・翌々月10日(70日サイト) |
「6/15に納品 → 6/30締め → 7/31払い」なら、取引日6/15・締め日6/30・支払いサイト31日(翌月末払い)。これがいわゆる「月末締め翌月末払い」です。
主要な締め日・支払いサイトのパターン
- 月末締め翌月末払い:もっとも一般的。実質支払いサイトは30〜31日。
- 20日締め翌月10日払い:飲食店・小売・建設の一部で多い。サイト20日。
- 15日締め当月末払い:人件費に近い扱いの業務委託で見られる。サイト15日。
- 月末締め翌々月末払い:建設業・製造業で散見。サイト60日。
- 月末締め90日後手形:従来の建設業界。手形60日ルールで2026年に縮減予定。
下請代金支払遅延等防止法(下請法)の基本
中小企業庁の下請代金支払遅延等防止法は、親事業者から下請事業者への支払いを最大「物品の受領後60日以内」と定めます。この期間内に支払う義務は法律上の強行規定であり、契約で「90日後」とすることは無効です。
- 受領日から60日以内に支払いを完了する義務
- 遅延した場合は年14.6%の遅延利息が発生
- 振込手数料を理由なく下請側に負担させるのは違反
- 2026年中の手形廃止方針(公正取引委員会・中小企業庁の通達)
営業日ベースで逆算するときの注意
実務では「翌月末払い」と書いてあっても、月末が土日祝に当たる場合の扱いが企業ごとに違います。よくあるパターンは3種類。
- 翌営業日繰下げ:5/31が土曜の場合、6/2月曜払い。もっとも一般的。
- 前営業日繰上げ:5/31が土曜の場合、5/30金曜払い。安全側に倒すパターン。
- 振込指示日のみ翌営業日:振込登録日は5/31当日扱いで、着金は6/2にずれ込む。
営業日計算ツールで「翌月末日」を基準日に、向きを「後」、営業日数を「1」に設定して土日祝を除外すると、翌営業日繰下げの支払日が一発で出ます。
「インボイス制度」と支払期限
2023年10月から始まったインボイス制度では、適格請求書発行事業者の登録番号と税率区分明示が請求書要件に加わりました。請求書に不備があった場合、買い手は仕入税額控除を受けられないため、修正を依頼することがあります。修正依頼から再発行までの日数を考慮し、営業日2〜3日のバッファを確保するのが安全です。
取引先別に管理するエクセル例
請求管理は以下の列構成が標準的です。
- 取引先・取引日・締め日・支払いサイト・支払予定日
- 請求書発行日・受領確認日・振込指示日・振込実行日
- 支払予定日を「TEXT関数+WORKDAY関数」で営業日換算
ExcelのWORKDAY関数は祝日リスト(内閣府の公表値)を渡すと土日祝を除外して計算してくれます。本ツールの営業日計算もこれと同じロジックで、しかも祝日リストの保守が不要です。
支払サイト短縮を交渉するコツ
- 下請法の「60日以内」原則を根拠に支払サイト短縮を交渉
- 早期支払割引(前倒し払いと引き換えに1〜2%値引)の提案
- ファクタリングを使った債権の早期現金化
- 取引先ごとに支払サイトをリスト化し、現金繰りリスクを可視化
関連ツール
営業日計算で締め日・支払期限から営業日ベースで逆算。月間の営業日数も同じ画面で確認できるので、人月単価・日割り計算にも便利です。