子供のBMI・ローレル指数・カウプ指数の使い分け
成人のBMI判定は子供にはそのまま使えません。乳幼児はカウプ指数、学童はローレル指数、学校健診では肥満度(標準体重比)と、年齢ごとに別の指標が使われます。それぞれの計算式と判定基準を保護者目線で整理します。
なぜ子供にはBMIをそのまま使わないのか
成人のBMI判定は「18.5未満が低体重、18.5〜25未満が普通、25以上が肥満1度」という固定の閾値を使います。これは成長が止まった大人を前提にした基準で、身長と体重の比率が比較的安定しているからこそ成り立ちます。
子供は身長の伸び率と体重の増え方が年齢で大きく変わります。乳児期は脂肪が付きやすく、幼児期に細くなり、思春期に再び体格が変わる。同じBMI18でも、生後6ヶ月児にとっては「適正」、5歳児にとっては「太め」、10歳児にとっては「普通」と全く意味が違います。
このため、年齢階層ごとに別の指標と判定基準が用意されています。
カウプ指数(乳幼児:生後3ヶ月〜5歳)
母子手帳・乳幼児健診でおなじみの指標。計算式は次の通りです。
例:身長75cm・体重9.5kg(9500g)の幼児 → 9500÷75÷75×10=16.88
判定基準は年齢で異なりますが、生後3ヶ月以降の標準的な目安は次の通りです。
- ・13未満:痩せすぎ
- ・13〜15:痩せぎみ
- ・15〜19:標準
- ・19〜22:太りぎみ
- ・22以上:太りすぎ
1歳までは数値がやや高め、満1歳以降は徐々に低めに推移するのが正常な発育パターン。母子手帳のパーセンタイル曲線と併せて見るのが基本です。
ローレル指数(学童:6歳〜14歳ごろ)
小学生・中学生に主に使われる指標。計算式は次の通りです。
例:身長140cm・体重35kgの小学生 → 35÷1.4÷1.4÷1.4×10=127.55
判定基準の目安は次の通りです。
- ・100未満:痩せすぎ
- ・100〜115:痩せぎみ
- ・115〜145:標準
- ・145〜160:肥満ぎみ
- ・160以上:肥満
身長3乗で割るため、身長が低い学年では数値が高めに出やすく、身長が伸びるとローレル指数は自然と下がります。同じ子の経年変化を見るほうが、絶対値だけ見るより意味があります。
学校保健統計の肥満度(標準体重比)
文部科学省「学校保健統計調査」(毎年公表)で使われているのは、ローレル指数ではなく「肥満度(標準体重比)」です。計算式は次の通りです。
身長別標準体重は性別・年齢別の係数a、bを使った計算式で算出されます。学校健診の判定基準は次の通りです。
- ・−20%未満:痩身傾向
- ・−20%〜+20%:標準
- ・+20%〜+30%:軽度肥満
- ・+30%〜+50%:中等度肥満
- ・+50%以上:高度肥満
ローレル指数より精緻な判定が可能で、現在の学校健診はこちらが主流です。学校から渡される身体測定の通知票に「肥満度+15%」「肥満度−10%」と書かれているのはこの指標です。
いつから成人BMIに切り替わるか
明確な線引きはありませんが、身長と体重の成長がほぼ止まった18歳前後から成人BMI判定(18.5〜25基準)に切り替えるのが一般的です。
ただし、思春期後半(15〜17歳)でも成人BMIを参考程度に使うことは可能です。たとえばBMI28の高校生は明確に肥満ですし、BMI15の高校生は明確に低体重。学校健診の肥満度判定と合わせて見れば妥当性は高まります。
保護者が知っておきたい3つの注意点
① 単発の数値より経年変化:その時点の判定が「肥満ぎみ」でも、半年後・1年後の数値が改善傾向ならOK。逆に標準でも急に肥満度が上がっているなら要注意。
② 過度な減量は成長を妨げる:小中学生の極端な食事制限は身長の伸び・初経・骨密度蓄積に悪影響。学童期・思春期は「太らないように」ではなく「成長に必要な栄養を取る」が原則。
③ 学校健診で「精密検査」と書かれたら受診:肥満度+30%以上(中等度肥満)の判定が出た場合、小児科・小児内分泌科で生活習慣病リスクの検査(血糖・脂質・血圧)を受けるのが推奨されています。
BMI計算ツール(成人用)はこちら → /bmi/
本記事は文部科学省「学校保健統計調査」、母子健康手帳様式(厚生労働省)、日本小児内分泌学会・日本肥満学会の指針を参照しています。子供の身体測定の解釈は、最終的には学校健診結果と小児科医にご相談ください。