SNS時代の子ども被害
警察庁サイバー警察局は、SNS起因の児童被害件数を毎年公表しています。被害の入口になるのは「SNS投稿された写真からの特定」が多く、保護者自身が投稿した写真が悪用される事例も後を絶ちません。
法務省「インターネット上の人権侵害をなくしましょう」では、子どもの顔写真の無断投稿はプライバシー権・肖像権の侵害として注意喚起されています。たとえ親であっても、子どもが将来不利益を被らないよう配慮が必要です。
隠すべき特定材料 7カテゴリ
①顔そのもの
乳幼児でも、成長後の顔と関連付けられて将来的な悪用に繋がります。スタンプ・絵文字で隠す方法は、ピクセル単位の画像処理で剥がされる可能性があるため、専用のモザイク処理(強度「強」)を推奨します。
②制服・体操服・部活ユニフォーム
校章・学校名刺繍・襟元の校名タグ。地域+制服デザインだけで学校を特定できるサイトすら存在します。部活のユニフォームには大会名・学校名が大きく入っていることが多く要注意。
③名札・通学カバンのネームタグ
幼稚園・保育園の名札、ランドセルカバーの記名、通学カバンに付けたキーホルダーの名前。フルネームが分かれば検索で各種情報に辿り着けます。
④学校・園・習い事の看板
入園式・卒園式・運動会・発表会で校門前撮影の定番。背景の校名看板・横断幕・横断歩道の校名表記。スクールバスの会社名・路線番号も特定材料になります。
⑤通学路・自宅周辺の風景
登下校シーンの「いってきます写真」「おかえり写真」を毎日同じ場所で撮ると、行動パターン+住所が時間軸付きで第三者に渡ります。
⑥誕生日・年齢が分かる装飾
誕生日ケーキの「8」のキャンドル、年齢入りバルーン、入園式・小学校入学式の日付け看板。生年月日特定はパスワード推測・なりすましの起点になります。
⑦習い事の場所・送迎ルート
ピアノ・スイミング・塾。曜日と時間が固定化されている習い事は待ち伏せ被害のリスクが特に高いです。送迎写真は時間帯・場所が分かる情報を全て隠してください。
推奨モザイク強度
- ・顔:強度「強」+広めに(髪・耳・あご輪郭まで)
- ・名札・校章:強度「強」
- ・制服全体は無理に隠さなくてOK→学校特定材料(校章・刺繍)だけ
- ・通学路の風景:強度「中」(看板・地名標識は「強」)
- ・装飾の数字:強度「強」
投稿前チェックリスト
- 顔は強度「強」で広めに隠した?
- 名札・ランドセルカバーの記名は隠した?
- 制服の校章・学校名刺繍は隠した?
- 背景の校名看板・横断幕は映っていない?
- 通学路の地名標識・店舗看板は隠した?
- 誕生日・年齢が分かる装飾は隠した?
- 習い事の場所・時間帯が特定できない?
- Exif位置情報は削除した?
家族で守る運用ルール
- ・祖父母・親族にも投稿配慮を依頼:両親が気をつけても祖父母の投稿で漏れる
- ・共有アルバムで限定公開を使う:LINEアルバム・Googleフォト共有アルバム等
- ・子ども自身の写真は鍵アカウントへ:オープンSNSは顔出しNG
- ・投稿時間帯をずらす:「いってきます」を投稿後に投稿などタイムラグを設ける
- ・同じ場所で繰り返し撮らない:行動パターン読み取り防止
- ・位置情報タグはOFF:投稿アプリ側でも忘れず設定
将来の本人の権利を尊重
親が良かれと思って投稿した幼少期写真が、成長後の本人にとって「消したい過去」になる「シェアレンティング問題」が指摘されています。本人の意思を確認できない年齢のうちは、できるだけ顔を映さない投稿を心がけるのが安全策です。
投稿後・被害発覚時の相談先
- ・警察相談専用電話「#9110」
- ・法務省「みんなの人権110番」(0570-003-110)
- ・各SNSの通報窓口・削除申出フォーム
- ・警察庁・プラットフォーム事業者の削除申出窓口
- ・児童相談所「189(いちはやく)」
使ってみる
出典:警察庁サイバー警察局「サイバー犯罪対策」、法務省「インターネット上の人権侵害をなくしましょう」、個人情報保護委員会「令和2年改正個人情報保護法」。