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写真をデザインに使う:配色テーマとコントラスト確認

「この夕焼け写真の色合いでチラシを作りたい」「春の桜の写真からWebの配色を組みたい」——写真の雰囲気をそのままデザインに移したい時の、5色テーマの作り方と、WCAGアクセシビリティ基準のコントラスト比を満たす実装まで一気に説明します。

なぜ写真から色を取ると失敗しないか

「ピンクと水色でかわいい感じに」と頭で色を選ぶと、9割の場合バラバラの印象になります。理由はシンプルで、自然の中ではほぼ全ての色が「光の影響を受けた、ややくすんだ色」であり、頭で選ぶ純色(#FF0000 とか #00FF00)は自然界にほぼ存在しないからです。

写真から色を取ると、自動的に同じ光の下にある色を選ぶことになり、全体の調和が取れます。とくに風景写真は、晴天・曇天・夕方など光が統一されているのでデザインに使いやすいです。

5色テーマの作り方

デザインの基本「5色テーマ」を写真から作ります。

  1. メイン色(1色):写真で最も面積が大きい色。空なら水色、植物なら緑、夕焼けなら橙。
  2. アクセント色(1色):写真で目を引く小さな色。人物の服・花・看板など。メイン色の反対側の色相を選ぶと締まる。
  3. 背景色(1色):白に近い淡い色。写真の明るい部分から取る。
  4. テキスト色(1色):濃い色。写真の影の部分から取ると自然。
  5. 補助色(1色):メインとアクセントの中間。グラデーションや区切り線に使う。

本ツール(/img-color-pick/)で5回クリックして履歴に並べれば、5色テーマがすぐ作れます。

WCAGのコントラスト比を必ず確認する

きれいな配色を作っても、文字が読みづらいデザインは失敗です。Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2 の SC1.4.3 Contrast (Minimum) では、本文と背景のコントラスト比に基準を設けています。

対象AA(最低)AAA(推奨)
本文テキスト4.5:17:1
大きな文字(18pt以上 or 14pt太字)3:14.5:1
UI部品・グラフ3:1

つまり背景色とテキスト色の組み合わせは必ず4.5:1以上。写真から取った色をそのまま使うと、淡い色同士で2:1になることが多く、その場合はテキスト色を「写真の影部分の濃い色」に置き換える必要があります。

被写体別:色の拾い方のコツ

空・夕焼け:グラデーションが強いので、上・中・下の3カ所からピック。中央付近が「メイン色」になりやすい。

植物・花:花弁の縁ではなく中央を取る。葉脈は避けて葉の広い面を選ぶ。

人物の服:影の部分は避け、光が当たっている広い面の中心。ボタンや柄の上は避ける。

食べ物:ハイライト(白く飛んだ部分)は避け、影と中間調の境目あたり。湯気・蒸気は色が出ない。

街並み・建物:窓ガラス(空の反射)と壁面で色が違うので、用途に応じて選ぶ。看板の色を取る時はJPEG圧縮で文字周りが揺れている。

実装に落とす:CSS変数として登録

取った5色をCSS変数として登録すれば、全ページで使い回せます。

:root {
  --color-main: #2A6FAA;       /* メイン:空の青 */
  --color-accent: #E07A3F;     /* アクセント:夕焼け橙 */
  --color-bg: #F5F0E8;         /* 背景:雲のクリーム */
  --color-text: #2A2520;       /* テキスト:影の濃茶 */
  --color-sub: #94B5D0;        /* 補助:薄い水色 */
}

このうち、本文用のテキストには `var(--color-text)`、背景には `var(--color-bg)` を組み合わせ、コントラスト比4.5:1以上を確認します。カラーコード変換でHEX→RGBに変換して、CSSで `rgba()` の半透明指定にも応用できます。

配色作成の落とし穴

画像の色を調べる → /img-color-pick/

本記事は W3C WCAG 2.2 (Web Content Accessibility Guidelines) SC1.4.3 Contrast (Minimum) および SC1.4.6 Contrast (Enhanced)、MDN Web Docs「Color contrast - Understanding WCAG」「<color> CSS data type」を参照しています。