結論:保護期間が終わると誰でも自由に使える
日本の著作権法では、著作者が亡くなった年の翌年1月1日から数えて、原則70年が経過すると著作権の保護期間が満了します(2018年の法改正後)。満了後の作品はパブリックドメインとなり、原則として誰でも・どんな目的でも・許諾を取らずに利用できます。本ツールが日本語ダミーテキストの「素材」として用いている明治〜昭和初期の文学作品は、いずれもこの保護期間が終わっています。
出典は青空文庫
本ツールがダミーの「種」にしているのは、ボランティアが運営する電子図書館「青空文庫」に収録された作品の冒頭部分です。青空文庫は、著作権の切れた文学作品をテキストファイルとして整備・公開しているサイトで、明治の二葉亭四迷、夏目漱石、芥川龍之介、宮沢賢治、太宰治など、現代の読者にも馴染みのある作家の主要作品の多くがそろっています。
注意したいのは、青空文庫の「テキストの組み方」自体には、入力者・校正者のクレジット表記の慣例があるという点です。本ツールはダミー用途で原文の組をそのまま残さず、文字数指定に応じて節を切り出し並び替えるため、本文だけを抽出する処理になっていますが、青空文庫を読み物として引用する際は出典・入力者情報を明記するのがマナーです。
文化庁の著作権ガイドが法的根拠
「保護期間が終わったら自由に使える」という説明は、文化庁の著作権施策のページに明文で示されています。法律としては、著作権法第51条で保護期間が、第13条で「権利の目的とならない著作物」(憲法・法令・通達・判決など)が定められています。本ツールが扱うのは前者のケース、つまり保護期間満了による消滅です。
ただし注意点が2つあります。1つ目は「著作者人格権」(氏名表示権・同一性保持権)は保護期間後も尊重するべきとされる慣行があること。本文を改変して原作者の名前で発表するような使い方は避けるべきです。本ツールではダミーとして無記名で使う前提なので問題は生じません。2つ目は、英訳・現代語訳・注釈本など「二次的著作物」には別の著作権が発生していることがあるため、訳者の没年で再度70年カウントが必要になる場合がある点です。本ツールは原文(日本語の原典)のみを使用しています。
本ツールが収録している主な作家
- 夏目漱石(1867-1916):『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『こころ』ほか
- 芥川龍之介(1892-1927):『羅生門』『鼻』『杜子春』ほか
- 太宰治(1909-1948):『走れメロス』『斜陽』『人間失格』ほか
- 宮沢賢治(1896-1933):『銀河鉄道の夜』『よだかの星』ほか
- 森鴎外(1862-1922):『舞姫』『高瀬舟』ほか
- 樋口一葉(1872-1896):『たけくらべ』『にごりえ』ほか
いずれも没後70年(2018年改正前は50年)を超えており、現行法でも明確にパブリックドメインです。「明治〜昭和初期に活躍し1950年代までに亡くなった日本の作家」のほぼ全員が対象だと考えて差し支えありません。
商用カンプに使うときの実務的な注意
たとえば「カフェのWebサイトのカンプ」を作るとき、本ツールで生成した『吾輩は猫である』冒頭由来のテキストをそのまま流し込んで構いません。クライアントへの提案、印刷物のサンプル、社内検討資料、コンペ用のモック、いずれも問題ありません。
ただし、納品物の最終本文として出すのは避けてください。これは法的というより実務的な話で、ダミー文は「文字数感」を示すためのもので、意味としては成立していないからです。納品時には必ず本物のコピーに差し替えるルールを社内で決めておくと安心です。
よくある質問
Q. 翻訳の海外文学(シェイクスピアの邦訳など)も使えますか?
A. 原文は古くても、近代の翻訳者がついた邦訳は、訳者の没年から70年経たないとパブリックドメインになりません。本ツールは安全側で原文日本語の文学のみ使用しています。
Q. 戦後の作家(三島由紀夫・川端康成など)はいつから使えますか?
A. 三島は1970年没=2041年から、川端は1972年没=2043年からパブリックドメインです。本ツールでは保護期間中のため収録していません。
Q. 出典を明記する必要はありますか?
A. ダミー用途では不要です。Webサイトに「本ダミーテキストは青空文庫の作品から作成しました」と書く必要はありません(書いても問題ありません)。